「養育費と教育費は別ものなのでしょうか」。子どもを持つ母親からこんな質問が弁護士ドットコムに寄せられました。

相談者の女性は、「養育費算定表」を元に養育費を決めました。さらに、教育資金として元夫には学資保険をかけ続けてもらいたいと考えています。

学資保険のお金は、習い事や塾の費用、部活動でかかるお金や私立高校の入学費用などに使おうと考えていますが、養育費とは何が違うのか疑問に思っているようです。

こうした教育費は、養育費の中に含まれているのでしょうか。どこまでが養育費に分類されるのでしょうか。鶴岡大輔弁護士に聞きました。

●部活動の支出は認められにくい

——習い事や塾の費用、部活動でかかるお金や私立高校の入学費用などの教育費は、養育費 の中に含まれているのでしょうか。

算定表上の養育費には、公立の中学高校に通った場合の統計上の教育費が含まれています。

今回の事例だと、部活動にかかる費用は含まれていますが、習い事や塾の費用、私立高校の入学費用は含まれていないことになります。

そのため、仮に部活動である程度の支出があったとしても、すでに算定表上の養育費に含まれていますので、追加の金額の支払いは認めてもらいにくいといえます。

●私立高校の入学費用や学費の支払いは認められやすい

——教育にかかるお金は、どこまでが追加請求できるのでしょうか。

算定表上の養育費に含まれていない教育費には、追加の支払いが認められやすいものと認められにくいものがあります。個別の事情によりますが、算定表を超えた養育費として、私立高校の入学費用や学費は認めてもらいやすいといえます。

例えば、離婚時にすでに子どもが私立の中学や高校に在学しているとか、中高一貫の私立中学の受験を前提とした塾に通っているなどの事情がある場合は、比較的私立高校の入学金や学費は認めてもらいやすいです。

一方で、習い事や塾の費用は私立高校の学費等に比べると認められにくいです。追加の養育費として相手に負担してもらうためには、特別にその習い事や塾に通うことを当事者間で合意していたことを立証する必要があります。

算定表で考慮されていない追加の養育費については、全額を相手に支払ってもらうことでできるのではなく、双方の収入で按分して、相手に追加で負担してもらう割合を決めることが多いです。

例えば、元夫と元妻の収入が7:3であれば、追加でかかる費用の7割を負担してもらうといった形です。具体的な金額は項目ごとに異なるので、弁護士に個別に相談した方が良いと思います。

●学資保険はどうする?

——学資保険は夫にかけ続けてもらって良いのでしょうか。

これは後々のトラブルの元ですのであまりお勧めできません。

学資保険は保険商品ですので、契約者である元夫が解約したいと保険会社に申し出れば、相談者の同意なく解約できてしまいます。

満期保険金も原則として元夫が受取人になっているかと思いますので、実際にお金を受け取るときも元夫の協力が必要になってきます。離婚にまで至って、双方の信頼関係が喪失しているかと思いますので、相手の協力を前提とした取り決めはしない方がいいと思います。

学資保険の月々の保険料相当額を養育費に上乗せして支払ってもらい、相談者自身で貯蓄をするか、学資保険に入り直すことをお勧めいたします。

【取材協力弁護士】
鶴岡 大輔(つるおか・だいすけ)弁護士
代表を務める弁護士法人とびら法律事務所は、千葉市にて累計4000件以上の離婚相談を実施。離婚、慰謝料、親権、養育費、面会交流、子の引渡し、婚姻費用など、夫婦親子に関する問題を得意とする。
事務所名:弁護士法人とびら法律事務所
事務所URL:https://www.tobira-rikon.com