東京五輪が7月23日の開会式をもって開幕しました。

20時にスタートした開会式には、いくつかの演目で18歳未満の子どもたちが出演していたため、疑問に感じた人もいるようです。

河北新報のネット記事(7月25日)によれば、最終点火者として式典のフィナーレを務めた大坂なおみさんに、聖火を渡したのは東北の小中学生たちだったそうです。

この頃には完全に23時を回っていました。

児童の夜間労働は法律によって規制されているので、ツイッターなどインターネット上には「もうすぐ23時だけど労基法大丈夫? めっちゃこどもが開会式出てるけど」などの感想が目立ちます。

法律はどうなっているのでしょうか。濵門俊也弁護士に聞きました。

●22時以降の子どもの「労働」は禁じられている

労働基準法では原則として、18歳未満の児童であれば、22時から5時までの労働を制限しています。

これにはいくつか例外もあり、たとえば、厚生労働大臣が許可した場合であれば、この制限は23時から6時に後ろ倒すこともできます。

しかし、いずれにせよ、児童が23時を超えて働いている場合は、その定めに違反していることになります。

ですが、労働ではなく「ボランティア」としての出場であれば、この規制は適用されません。

別の記事(女性自身のネット記事・7月24日配信)では、大会組織委が「労働だったのかボランティアだったのか」とする質問に「言及できない」として、明確な答えを出していません。

●都条例では?

ボランティアであったとしても、東京都の青少年健全育成条例では、青少年(18歳未満のもの)の深夜(23時から4時まで)外出について、「保護者は、通勤又は通学その他正当な理由がある場合を除き、深夜に青少年を外出させないように努めなければならない」としています。

一方、同条例では「何人も、保護者の委託を受け、又は同意を得た場合その他正当な理由がある場合を除き、深夜に青少年を連れ出し、同伴し、又はとどめてはならない」としますが、子どもたちを任命した大会組織委が保護者から同意などを得ていないとは考えられませんので、子どもの深夜の開会式出演は問題ないでしょう。

開会式の子どもの出演には、忘れられない思い出になるとの意見もあるでしょうし、一方で上記のような批判の声があることもわかります。組織委がスケジュールについてもう少し配慮できなかったのかと感じるところです。

【取材協力弁護士】
濵門 俊也(はまかど・としや)弁護士
当職は、当たり前のことを当たり前のように処理できる基本に忠実な力、すなわち「基本力(きほんちから)」こそ、法曹に求められる最も重要な力だと考えている。依頼者の「義」にお応えしたい。
事務所名:東京新生法律事務所
事務所URL:http://www.hamakado-law.jp/