子どもの「スマホ中毒」が問題視されている。ウェブサイトの閲覧制限サービスを手がけるデジタルアーツがこのほど実施したアンケートでは、携帯電話・スマートフォン(スマホ)を持つ女子高生の一日あたりの使用時間は、なんと平均6.4時間に及んでいた。男子高校生でも4.3時間だった。

注目すべきは、携帯とスマホで違いが出ていることだ。携帯を持っている子ども(10〜18歳)の使用時間が平均1.2時間だったのに対し、スマホだと平均4時間と大きな開きがある。「使い過ぎて注意された」経験も、携帯所有者11%に対し、スマホ所有者は32.4%と高かった。

こうした子どもの「スマホ中毒」を危惧する声はネット上にも多数みられ、睡眠時間の減少といった悪影響を懸念する意見もある。となると、携帯電話事業者にも、何らかの対策をとるよう法的義務を課すべきなのだろうか。IT関連の法律問題にくわしい伊藤雅浩弁護士に聞いた。

●子どものスマホ中毒は「保護者」が対処すべき問題

「少なくとも現行法のもとでは、携帯電話の事業者に対して、18歳未満の『スマホ中毒』に積極的に対処する義務が課せられているわけではありません。

たしかに、スマホ中毒やSNSを利用したトラブル、いじめなどは放置できない問題だと思います。しかし、それに対処するため、携帯電話事業者に何らかの法的義務を課すことについては疑問があります」

伊藤弁護士はこう述べる。子どもの「スマホ中毒」を防ぐ役割は、誰が担うべきなのだろうか。

「子どもを身近に監護・監督しているのは保護者であり、スマホを買い与えたり、使用を認めたりしているのも保護者です。したがって、『スマホ中毒』は、まず保護者が対処すべき問題だと考えます」

だが、保護者が常に子どもを監視するわけにもいかないだろう。伊藤弁護士も「もちろん、すべて保護者まかせで良いというわけではなく、社会としての取り組みも必要とされています」と話す。

それは、たとえば、どんな内容だろうか。

「最近では、保護者が子どものスマホ利用を制限するための『ペアレンタルコントロール』と呼ばれる機能・サービスもあります。スマホで使用できるアプリケーションや、閲覧できるコンテンツに制限をかけるもので、今後はこうした機能の充実が期待されています。

また、愛知県刈谷市では、夜21時以降、子どものスマホを保護者が預かるという試みを、教育委員会などの主導で始めるという報道があります。こうした取り組みのように、自治体・地域が保護者をサポートする動きにも注目したいと思います」

(弁護士ドットコム トピックス)

【取材協力弁護士】
伊藤 雅浩(いとう・まさひろ)弁護士
工学修士(情報工学専攻)。アクセンチュア等の約8年間コンサルティング会社勤務を経て2008年弁護士登録。システム開発、ネットサービス等のIT関連法務を主に取り扱っている。経済産業省「電子商取引及び情報財取引等に関する準則」研究会メンバー。
事務所名:弁護士法人内田・鮫島法律事務所
事務所URL:http://www.uslf.jp/