SNSで夫の元不倫相手が脅迫めいた発言を繰り返している——。夫の元不倫相手の行動に困り果てた女性が、弁護士ドットコムに相談を寄せました。

相談者によると、夫の元不倫相手のAさんはSNSで「自殺してやりたい」や「お前らみんな殺してやりたい」、「お前が私と同じ痛みを味わうまで死ねない」といった発言をしています。

また、SNSのハンドルネームはAさんのニックネームで、自撮り写真などもあげているため相談者は「間違いなく元不倫相手のもの」だと確信しています。

不倫発覚後、相談者はAさんに対し裁判を起こし慰謝料を請求し、すでに慰謝料は支払われています。しかし、AさんのSNSでの言動から夫に怒りの感情を抱いていることは明らかだそうです。

AさんのSNSでは、夫の実名を出しておらず、言い回しも願望とも取れるものではありますが、相談者は「匂わせ」と捉えています。自宅も知られていることから「怒りの矛先が私や子どもに向かわないか不安な日々を過ごしています」と訴えています。

はたしてこうした女性の行動に対し、法的な措置は取れるのでしょうか。田村ゆかり弁護士に聞きました。

●内容から相談者や夫のことと特定できるか?

——相談者の女性は不安な日々を過ごしているとのことです。法的にできることはありますか。

法的な措置を取れるかというご質問だと、なかなか難しいです。

まず、「お前らみんな殺してやりたい」という言葉は「生命、身体…に対し害を与える旨を告知して人を脅迫した」(脅迫罪、刑法第222条第1項)に該当しそうなのですが、書かれた内容からだけだと、その殺してやりたい相手方が相談者や夫であると特定できません。

——もし投稿内容から相談者や夫であると特定できる場合は?

その場合、脅迫行為を受けているとして警察に相談することをお勧めします。相手方に対して注意をしたり、自宅周辺等の見回りを増やすなど対応してくれるかと思います。

——今回はSNS投稿というかたちでした。直接送られてきた場合は、また違ってくるのでしょうか。

AさんがSNSのダイレクトメッセージやSMS、メールなどで相談者や夫に対してこのような内容を送ってくるのであれば、脅迫罪として警察に相談してもいいですし、いわゆるストーカー規制法のつきまとい等に当たるとして、警察や弁護士に相談して接近禁止命令等の対応を取ることも考えられます。

現状で取りうる対策としては、Aさんが投稿しているSNSの規約で定める違反行為に該当しないかを確認することをお勧めします。

例えばTwitterであれば、個人または集団に向けた暴力をほのめかす脅迫を禁じており、「お前らみんな殺してやりたい」との投稿はこれにあたります。運営側に対して違反行為であると報告して調査を求めれば、場合によってはアカウントの凍結等の対応がなされます。

【取材協力弁護士】
田村 ゆかり(たむら・ゆかり)弁護士
経営革新等支援機関。沖縄弁護士会破産・民事再生等に関する特別委員会委員。
事務所名:でいご法律事務所
事務所URL:http://www.deigo-law.com/