眞子さまと小室圭さんが、10月にも婚姻届を提出する方向で提出中だと共同通信が9月8日に報じたが、その前週発売の「週刊新潮」(9月9日号)には小室さんの母・佳代さんに関する記事が掲載されている。佳代さんが過去に受給していた傷病手当金は不正受給にあたるのではないかというのだ。

「週刊新潮」によれば、佳代さんは過去2018年に、適応障害を理由に勤務先の洋菓子店を長期欠勤していたという。この間、佳代さんは傷病手当金を受給しながら、知人のレストランで住み込みでアルバイトをしていたというのだ。

傷病手当金について、厚労省のサイトでは「被保険者が業務外の事由による療養のため労務に服することができないときは、その労務に服することができなくなった日から起算して3日を経過した日から労務に服することができない期間、支給される」としている。

仮に報道が事実とすれば、佳代さんには傷病手当金の返金義務や、勤務先から懲戒請求を受けるリスクなどもあるのだろうか。社会保険労務士の経験をもつ寺岡幸吉弁護士に聞いた。

●ポイントとなるのは「労務」の負荷の程度

ーー傷病手当金の受給期間中、同様の労務に携わっていた場合、一般的には手当金の返金義務や法的な問題はあるのでしょうか? また小室さんのケースではどう考えられますか

傷病手当金の「働けない」という要件は、法律(健康保険法99条)の表現を正確に引用すれば、「療養のため労務に服することができない」とされています。そして、「服することができない」「労務」とは、従前従事していた「労務」と同種で同程度の負荷の「労務」を指します。

週刊新潮の記事は私も読みましたが、小室佳代さんが軽井沢で従事していた「労務」が、従前の職場で行っていた「労務」と同じ負荷の程度であったかどうかは、記事からは読み取れません。

週刊新潮の報道によれば、傷病手当金を受給していた際の佳代さんの病気は「適応障害」(ごく大雑把に言えば、うつ病にはまだ至っていないが、ストレスを受けて抑うつ状態や不安状態に陥る精神疾患)だったということですから、リハビリの目的で環境のいい軽井沢に行って少しだけ友人の店の手伝いをして、給与とは言えない程度の謝礼を受け取っただけという可能性もあります。

逆に、軽井沢の店で、従前の職場と同じような「労務」をフルタイムで行い、給料もきちんと得ていたということであれば、法定の要件を満たしていないのに傷病手当金を受給したということで、受給した傷病手当金の返還義務が生じるだけでなく、詐欺罪などの刑事責任を負う可能性もあります。

なお、上記の説明はあくまで一般論であり、週刊新潮が報じた小室佳代さんのケースについての結論を申し述べることはできませんのでご注意下さい。

ーー 小室さんのケースに限らず、一般論として復職するための休職に専念しなかったとして、たとえば「職務専念義務」違反などで、懲戒処分の可能性はあるのでしょうか

「職務専念義務」というのは、勤務中は職務に専念しなければならないという義務ですから、「休職に専念しなかったとして職務専念義務違反となる」という表現には違和感を覚えます。

ただ、一般的な就業規則には、例えば、「許可なく他の会社の業務に従事すること」、「職務に関連して不正に自己の利益を図る行為」や「会社の名誉や信用を損なう行為」などを禁じる規定がありますので、傷病手当金を不正に受給していたとすれば、これらの規定に違反するとして懲戒処分の対象となることはありえると思います。

【取材協力弁護士】
寺岡 幸吉(てらおか・こうきち)弁護士
社会保険労務士を経て弁護士になった。社労士時代は、労働問題を専門分野として活動していた。弁護士になった後は、労働問題はもちろん、高齢者問題(成年後見や高齢者虐待など)などにも積極的に取り組んでいる
事務所名:落合・深澤法律事務所
事務所URL:https://os-lawfirm-kawasaki.jp/