タレントの加藤紗里さんが9月30日、自身のインスタグラムで、ファンから届いた手紙の写真を公開し、その内容に「気持ち悪すぎる」として、やめるよう警告した。

加藤さんは、ストーリーズ機能を使って、「ちょっと待って(汗)スタッフから、事務所のポストに入ってたってLINEきたけどやばくない??」とLINE上でのスタッフとのやり取りを写した画像を投稿。

インスタグラムにアップされた手紙の画像

別の画面では、手紙に書かれた文章が読める写真もうつっており、そこには「紗里ちゃんいつも見てるよ 最近、事務所には出入りしてないのかな?家に届けた方がよかったかな?今度は家に手紙出そうかな? 好きだよ 会いたいね? 今度デートしようね 会いに行くね」と書かれていた。

この手紙を読んだ加藤さんは、同投稿で「ほんとにやめて。気持ち悪すぎる」と記載し、手紙の送り主に警告している。

誰が送った手紙なのかは加藤さんもわからないようだが、文面を見る限り、送り主は自宅の所在地を知っているかのようにもとれるなど、手紙を受け取る側として怖さを感じる内容だ。このようなファンレターを送ることは何か犯罪になるのだろうか。清水俊弁護士に聞いた。

●繰り返せば「ストーカー」として処罰される可能性も

——今回のような内容の手紙を送ることが犯罪になることはあるのでしょうか。

ストーカー行為等の規制等に関する法律(ストーカー規制法)にいう「つきまとい等」に該当し得ると考えます。

ストーカー規制法では、恋愛感情などの好意をもってつきまとったり、住居や勤務先付近をみだりにうろつくこと(同法2条1号)や、行動を監視していると思わせるような事項を告げること(同2号)などを「つきまとい等」と定義し、「つきまとい等」によって身体の安全や住居等の平穏が著しく害される不安を覚えさせることを禁止しています(同法3条)。

また、「つきまとい等」を繰り返す「ストーカー行為」をした者については「1年以下の懲役又は100万円以下の罰金」とされています(同法18条)。

加藤さんが投稿されたとする手紙の内容からすれば、送り主が勤務先の事務所付近を「みだりにうろついている」ようにもうかがわれますが、実際にうろついているかはわかりません。

ただ、手紙自体に「紗里ちゃんいつも見てるよ」「最近事務所には出入りしてないのかな?」と書かれているため、「行動を監視していると思わせるような事項を告げ」ているとして、「つきまとい等」に該当し得ると考えます。

——送り先が著名人であることは、犯罪の成否に何か影響がありますか。

捜査機関なり検察庁の取扱いに違いがあるかどうかはわかりませんが、法的にはあまり関係がないと考えます。

「人気商売なのだから、ファンからの多少過剰な手紙でも甘受しろ」と考える方もいるのかもしれませんが、テレビを離れれば一人の市民ですし、恐怖を感じるのは一緒だと思いますので、実際に行われた行為や与える不安の大きさなどによって判断されるべきだと考えます。

——このような手紙を受け取った場合、どのように対応するのがよいのでしょうか。

警察に相談するのが基本だと思います。ストーカー規制法では、警察による「警告」(同法4条)や公安委員会による「禁止命令」(同法5条)といった措置を設けていますので、そうした手続に向けた動きになるからです。

「禁止命令」が出ているにもかかわらずつきまとい等やストーカー行為に及んだ場合には「2年以下の懲役または200万以下の罰金」に処せられることになります。

【取材協力弁護士】
清水 俊(しみず・しゅん)弁護士
2010年12月に弁護士登録、以来、民事・家事・刑事・行政など幅広い分野で多くの事件を扱ってきました。「衣食住その基盤の労働を守る弁護士」を目指し、市民にとって身近な法曹であることを心がけています。個人の刑事専門ウェブサイトでも活動しています(https://www.shimizulaw-keijibengo.com/)。
事務所名:横浜合同法律事務所
事務所URL:http://www.yokogo.com/