AKB48の柏木由紀さんが11月9日、自身のYouTubeチャンネルに「柏木由紀すぐ怒るけどすみません、、また怒ってます」と題した動画をアップ。Twitterのエゴサーチで見つけた虚偽情報に怒りをあらわにした。

柏木さんがTwitterの検索欄で「ゆきりん」と入れると、関連のあるキーワードとして「ゆきりん 500」と候補が出たという。その検索結果を見たところ、「ゆきりんは今は一晩500万円」、「グループが全盛期の時はもっと高かったのに、かなり下がったね」などと書かれていたそうだ。

柏木さんは「そんな金に困ってないよ」と真っ向否定。誹謗中傷やデマに関して、「直接本人から聞いたこと以外は信じない方がいい」「私が訴えたら終わるよ」と警告した。

日頃からあらゆる嘘情報に悩まされつつも、「1個ずつ否定していたらキリがないからぐっとこらえて我慢している」とも話した柏木さん。仮に柏木さんが本当に訴えた場合、どのような結果になるのだろうか。小沢一仁弁護士に聞いた。

●名誉毀損が成立する可能性が高い

——柏木さんも大変怒っていますが、今回のツイートはどのような法的問題がありますか。

名誉毀損が成立し、投稿者には高額の賠償義務が発生する可能性が高いと思います。

まず、名誉毀損は、(1)公然と、(2)事実を摘示して、(3)人の社会的評価を低下させることにより成立します。

問題とされているツイートは、公開ですから(1)の要件を満たします。

(2)については、読んだ人がどういう事実があったと解釈するかという観点から考えます。今回のツイートは、「ゆきりん」が柏木さんの愛称であり、「グループ全盛期」との記載によれば、読み手は「ゆきりん」が柏木さんであると考えると思われます。

そして、「一晩500万円」との記載は、単に一晩過ごすことで500万円など得られるとは考えにくいので、読み手は「柏木さんが対価500万円で不特定の男性と性行為をしている。グループ全盛期の時にはさらに高額の対価を得ていた」という事実を摘示していると解釈すると思われます。

この事実を前提にすると、今回のツイートは柏木さんの社会的評価を低下させるものといえ、名誉毀損に当たると思われます(3)。

他方で、(1)〜(3)の要件を満たす場合でも、(4)内容に公共性があり、(5)専ら公益を図る目的でされたもので、(6)真実であることの証明があったときは違法性ではなくなります。

ただ、今回は、特に(6)の要件について、柏木さん本人が公に否定している上に、これを覆すような情報が出ていないことに照らすと、真実であることの立証は無理ではないかと思います。そうすると、今回のケースでは名誉毀損が成立する可能性が高いと思われます。

●数百万円の慰謝料が認められる可能性も

——名誉毀損が成立した場合、慰謝料はどのくらい認められますか。

名誉毀損が成立する場合、投稿者は柏木さんに対し、慰謝料を支払う義務を負います。

柏木さんが著名人であること、アイドルという職業上、対価を得て性行為に及ぶことは深刻なイメージダウンを招くことなどからすると、数百万円の慰謝料が認められる可能性が高いのではないかと思われます。

——たった1回のツイートでも、責任は重く、取り返しのつかないことになるということですね。

SNSの情報拡散力は凄まじいものがあります。デマでも、これが拡散されると、被害者は回復できないほどのダメージを負います。

半面、投稿者も、多額の賠償義務に加え、刑事事件化されたり、報道されたりして人生が狂う可能性もあります。

デマを流して得られるものは投稿者の満足感だけであり、その他は害悪しかありません。デマは絶対に流してはいけませんし、読み手側も一次情報を確認するなどしてデマに流されないようにするべきだと思います。

【取材協力弁護士】
小沢 一仁(おざわ・かずひと)弁護士
2009年弁護士登録。2014年まで、主に倒産処理、企業法務、民事介入暴力を扱う法律事務所で研鑽を積む。現インテグラル法律事務所シニアパートナー。上記分野の他、労働、インターネット、男女問題等、多様な業務を扱う。
事務所名:インテグラル法律事務所
事務所URL:https://ozawa-lawyer.jp/