急逝した女優・歌手の神田沙也加さんをめぐる報道について、弁護士などでつくる芸能人の権利保護団体「日本エンターテイナーライツ協会」は12月22日、報道機関や週刊誌、配信会社に対して、冷静かつ慎重な対応を求める声明を公表した。

声明は、報道の中に、神田さんのプライバシーを侵害するものもあり、行き過ぎがあると指摘。その取材や内容は、大切な家族を亡くしたばかりの遺族を苦しめるものが多いと批判している。

●「公益性なく、プライバシー侵害」

声明は同協会のサイトで公表され、次のように述べている。

「国民の多くの方々は、各報道機関や週刊誌等に対して、ご遺族や関係者を苦しめるほどの取材も報道も一切期待していません。また、そのような記事の配信も期待しておりません。

私たちは、各報道機関、週刊誌及び配信会社等に対して、ご遺族や関係者のために、冷静かつ慎重な対応をすることを求め、今後、芸能人が亡くなられた場合の取材、報道及び配信に関して、遺族やご関係者に配慮した一定のルールを作ることを強く期待します」

また、芸能人であっても私生活上の事項に関してはプライバシーの権利としての保護(憲法13条)が及ぶとして、「死者であっても同様に私人のプライバシーの権利や死者の尊厳への配慮がなされるべきもの」と指摘している。

そのうえで、「事案によっては公益的要請から報道の自由がプライバシーの権利よりも優先される事態もあり得ると思いますが、少なくとも本件のような事案においてそのような公益性は見受けられず報道の自由はプライバシーの権利に劣後するものだと考えます」と批判している。

日本民間放送連盟は2001年、「取材上の留意点および対応策」として、「死傷者を出した現場、通夜・葬儀などでは、遺族や関係者の感情に十分配慮する」としている。

日本エンターテイナーライツ協会は、各報道機関や週刊誌に対して、「改めてこの対応を徹底すること、またプライバシーを保護すること、配信会社に対して、被害の拡大に繋がる記事を配信しないこと」を強く求めている。