今年見直しが決まったものに、東京都立高校の男女別定員がある。もともとは男女の比率を同程度にするための措置だったとされるが、性別によって合格最低点に差があることを問題視する声があがっていた。

都立高は多くの場合、「内申点(300点満点)」と「筆記試験(700点満点)」の合計で合否が決まる。都の資料によると、2020年度入試で女子の合格最低点が男子を上回ったのは56校。点差は最大122点だった。一方、男子の最低点が上回ったのは18校で点差は最大204点だった。

男女別の定員ではなかった場合、女子691人、男子95人が合格したとの試算があり、女子のほうが影響を受けていることからか、主に「女性差別」の問題として報じられてきた経緯がある。男女別定員は段階を踏んで廃止を目指すという。

この話題に関連して、弁護士ドットコムニュースのLINEアカウントには、栃木県の男性教員から北関東に多い公立高校の「男女別学」を問題視するメッセージが寄せられた。女性差別につながっているため共学化すべきだという。以下で、この教員からの意見を紹介したい。

なお、全国的には男女別学は減っており、近年では福島県で2003年度、宮城県で2010年度までにすべての県立高校が共学化している。

●県立トップの高校が男子校

北関東の栃木や群馬、埼玉では県立高校が共学だけでなく、男女別学となっていることが多くあります。たとえば、栃木県の公立トップ校は男子校の宇都宮高校です。女子の優秀層はどれだけ勉強ができても、公立ナンバー2とされる宇都宮女子高校や共学の宇都宮東高校に入ることになります。これは男女差別ではないでしょうか。

もちろん、偏差値が学校のすべてではないし、男女別学には別学の良さがあるというのも理解はできます。しかし、日本の男女差別の根深さを考えると、女子であるという理由で難易度の高い学校にチャレンジできない現状は、「女子はこの程度で良い」という誤ったメッセージを発してしまっていないでしょうか。

「県立トップ校出身」という肩書きは、周囲からも一目置かれる存在です。そういう女性が増えることで女性差別も解消されていくと思うのですが、男女別学の県ではそうはなりづらい。また、別学の事情を知らない県外の人からは、単なる偏差値で高校を比較されがちです。学力的には合格できるのに、女子だったために入れなかったという声を聞くことがあり、悲しい気持ちになります。

確かに、男子校の宇都宮高校のほうが偏差値が高い現状からすれば、共学化しても当面は男子比率のほうが高くなるでしょう。しかし、教員として女子の能力が劣っていると感じたことはありません。

基本的には男女にかかわらず良質な教育を目指すべきで、そうした機会や可能性が開かれることで、女子の数も増えていくと考えます。現状は挑戦の機会がないことで、女性の能力をスポイルしてしまっていると感じます。そもそも、トランスジェンダーの生徒がいるかもしれないのに、男女で分けることの問題点も議論されて良いはずです。

栃木では生徒数の減少などから学校の統廃合が進んでいて、共学化する学校もでてきています。いずれは宇都宮高校などでも検討されるのでしょうが、その間にも、毎年中学を卒業する女子はいるわけです。伝統という話もあるでしょうが、これからの方々のため、歩みが遅すぎるように感じてしまいます。