タレントの藤本美貴さんが6月22日放送の日本テレビ系「上田と女が吠える夜」に出演し、夫であるお笑いコンビ「品川庄司」の庄司智春さんが、もし浮気をしたら、「一生苦しめるってのは決めてます」「その女の人(浮気相手)も、庄司も社会的に活動できなくする」と言い切って話題になりました。

藤本さんは、過去に出演した番組でも、もし浮気をされた場合、「別れないで一生苦しめる」「浮気の証拠はラミネート加工して、破れないようにする」「別れるとしたら私の最高のタイミングで捨てる」などと発言していました。

報復として「社会的に活動できなくする」ことの典型的な例としては、情報の暴露が考えられますが、法的にはどんなリスクがあるのでしょうか。河内良弁護士に聞きました。

●刑事・民事の両面で法的責任を追及されるリスクがある

ある人の社会的評価を下げるような事実を暴露することは、その暴露行為が公然性をそなえていれば、名誉毀損罪という犯罪に該当し(刑事事件)、さらに、不法行為として損害賠償(慰謝料)請求を受ける(民事事件)ことです。

また、公然性の有無にかかわらず、ある人が他人に知られては困るような事柄を暴き立てることは、プライバシー権の侵害であり、この点でも、不法行為として損害賠償(慰謝料)請求を受ける(民事事件)ことです。

ここでいう「公然性」とは、「不特定または多数人の認識し得る状態におくこと」を意味しますので、テレビや雑誌などのメディアに情報を提供したり、自らインターネットで公表したりすることは、「公然性」があるということができます。

一方で、特定かつ少数の友人などに、他に伝わらない前提でこっそりと話すことは、「公然性」があるとはいえませんが、今回の想定が「浮気に対する復讐としての暴露」ということだとすれば、あえて公然性を有する状態で公表するということでしょうから、名誉毀損として、刑事上・民事上の責任を負う行為です。

つまり、刑事・民事の両面で、法的責任を追及されるリスクがあるということです。

なお、暴露したい人が、「浮気する奴が悪いから、復讐として正当な行為だ。内容は本当のことだし」と強弁することも考えられますが、私人の不貞行為に関する情報は事実として公共性を有するものではないので、真実だからといって責任がなくなるわけではありません。

また、復讐として不法行為を行うことが正当化されないことは、法治国家として当然の事理です。

【取材協力弁護士】
河内 良(かわち・りょう)弁護士
大学時代は新聞奨学生として過ごし、平成18年に旧司法試験に合格。平成28年3月に独立した。趣味はドライブと温泉めぐり。
事務所名:河内良法律事務所
事務所URL:http://www.kawachiryo-law.jp