日弁連の小林元治会長は7月27日の定例記者会見で、刑事手続のIT化について「日弁連も大きな期待を寄せている」と語った。法務省は2023年度内の法案提出を目指しており、今月29日に法制審の第一回会議が開かれる。

法制審では、証拠のデジタル開示やオンライン接見などが検討される予定。小林会長は、証拠のデジタル開示による謄写(コピー)コスト削減や接見の移動負担減、迅速な防御などが期待できると歓迎した。

謄写費用は、国選のときは基本的に国負担で法テラスによる一定の補填もあるが、私選だと依頼者負担となる。事件によっては数百万円かかることもあるとされる。

法制審では証人尋問などのオンライン化の程度についても検討される見込みだが、オンラインだと十分な尋問ができなかったり、裁判官の心証形成に影響したりする可能性も指摘されている。

小林会長は、被疑者・被告人の権利の重要性を強調。オンライン化により、裁判の公開原則を損なうことなく、逆に刑事手続の透明性をより高めていく必要があると語った。

●取り調べ可視化などの見直しも

刑事訴訟法をめぐっては、冤罪を防ぐ方策を検討する法務省の「改正刑訴法に関する刑事手続の在り方協議会」も議論がスタートする。2019年6月に全面施行された改正刑訴法にある3年後の見直し規定に基づいたものだ。

小林会長は、取り調べの録音・録画を全事件・全過程に拡大することや再審法の改正などを検討していくことが大切だと話した。