勤務日数や時間を調整しながら働けるパートタイム。弁護士ドットコムには、「職場から一方的にシフトを減らされてしまった」という相談が複数寄せられています。

「パートタイムで在宅勤務しています。以前は週5勤務でしたが、『売上が少ないから』と週3回、1日6時間に減らされました。私が以前までの予定を出すと勝手に勤務時間を削られています」

「現在、週3日勤務のパートをしていますが、3か月前から人手不足で、週4〜5日働いています。人手が落ち着くまでならと会社からのお願いを聞いていましたが、つい最近人が入り、会社から『来週から週2日でお願いできますか』と言われました。入社した時の約束は週3日です。ただ、口約束で契約書は作成していません」

会社側は、労働日数が決まっているパートタイマーの勤務日数を勝手に変更しても良いのでしょうか。

●勤務日数の削減は「労働条件の不利益変更」

今回寄せられた2つの相談は、いずれも週の所定労働日数が決められているので、いわゆる「シフト制」のシフトカットの問題ではありません。

まず、契約書が作成されておらず、口約束しかされていないとのことですが、使用者は、労働者に対して、労働条件を明示し、労働条件通知書を交付することなどが義務づけられています(労働基準法第15条・同法施行規則第5条)。

これは、パートタイマーの雇用であっても同様に適用されるものなので、今回のケースの使用者は、この労働条件明示義務に違反しています。これは、口頭での契約であっても、雇用契約自体は有効に成立します。

今回はそれぞれ、週5日勤務、週3日勤務という労働条件が契約内容となっていることが前提とされています。これらの勤務日数を減らすことは、労働条件の不利益変更にあたります。

●労働条件は労働者の合意がないと変更できない

そして、労働契約法第8条は、「労働者及び使用者は、その合意により、労働契約の内容である労働条件を変更することができる」と定めており、この変更に対する労働者の同意の有無についての判断は慎重にされるべきであるとされています(最2小判平成28年2月19日民集70巻2号123頁)。

労働者側の変更の同意がありませんので、使用者側が一方的に変更することは労働契約法第8条に違反し、無効となります。

なお、2つ目のケースについては、まだ勤務日数の減少の同意を求められている段階ですので、相談者としては、納得できないのであれば、これに同意すべきではありません。

【取材協力弁護士】
大木 怜於奈(おおき・れおな)弁護士
弁護士登録前の会社員としての勤務経験も活かし、ビジネス実態に即したリーガルサポートの提供を心掛け、企業法務においては、「管理法務」を取扱業務の柱として、多様な経営者のパートナーとして、人事労務、営業秘密管理、風評管理など、様々なサービスの拡充に努めております。
また、労働問題にも重点的に取り組み、「企業の人事労務クオリティ向上による従業員に対する真の福利厚生の実現」を目指しています。
事務所名:レオユナイテッド銀座法律事務所
事務所URL:https://leona-ohki-law.jp/