民事裁判の全判決をオープンデータ化する構想が進んでいる。9月3日におこなわれた弁護士業務改革シンポジウム(主催・日弁連)の第1分科会で、平岡敦弁護士が「かなりの確度で実現するのではないかという状勢になってきている」と報告した。

民事判決のオープンデータ化については、日弁連法務研究財団が裁判所などと調整している。実現に向けた具体的な話が進んでいるといい、すでに法務省が法改正のための検討会を開くという報道も出ている。

平岡弁護士によると、まだ構想段階ではあるが、裁判所からの民事判決を収集・管理する法人を新設し、AIによる仮名化を施したうえで、法律出版社や研究機関などに有償提供するという運用案が考えられているという。

日弁連法務研究財団の資料より(2021年3月25日:https://www.jlf.or.jp/wp-content/uploads/2021/04/pt-houkoku20210325.pdf)

「これまでは公開されている判決が少ないというのが日本の特徴だったが、今後は新しい判決については全件検索できるようになる時代が近いうちに来る。我々の実務にかなり大きなインパクトを与えることになる」(平岡弁護士)

なお、判決のオープンデータ化については、民事が先行しており、刑事ではまだ具体的な話は出ていないという。

この日、刑事手続のIT化について報告した田岡直博弁護士は、「民事だけでなく、刑事にも広げてもらい、量刑の予測可能性を高めたり、検察官の求刑を検証できるようにしてもらえれば」と話していた。