音楽教室における演奏に「演奏権」が及ぶかどうか争われた訴訟の最高裁判決を受けて、日本音楽著作権協会(JASRAC)は10月24日夕、都内で記者会見を開いた。

生徒の演奏には「演奏権」が及ばないとした判決が確定したことについて、伊澤一雅理事長は「JASRACの主張が認められず、残念」としながらも、原告の音楽教室側と「コミュニケーションできる環境が整った」と述べた。

●生徒の演奏が争点になっていた

この訴訟は、JASRACが2017年2月、音楽教室で教師や生徒が管理楽曲を演奏することについて、演奏権が及ぶとして、著作権使用料を徴収する方針を示したことを受けて、反発したヤマハ音楽振興会など音楽教室が同年6月に提訴したもの。

1審・東京地裁は2020年2月、「JASRACに著作権使用料の徴収権はない」と主張した音楽教室側の請求を棄却したが、2審・知財高裁は2021年3月、1審判決を一部変更。教師の演奏には演奏権が及ぶが、生徒の演奏には及ばないと判断した。

双方が上告していたが、最高裁第一小法廷は、教師の演奏などに関する部分について、音楽教室側の上告を不受理とする決定(2022年7月)を下した。そのため、生徒の演奏が争点となっていた。

●「音楽教室における演奏にも著作権が及ぶことが確定した」

この日の会見冒頭で、伊澤理事長は「音楽教室における演奏利用について著作権が及ぶことが確定した」と強調。今回の判決は「従来の判断枠組みを踏まえたもの」で「音楽教室における生徒の演奏という限定的なもの」という評価を示した。

著作権使用料は、音楽教室の受講料収入の「2.5%」としているが、現段階では「下げる、下げないの答えを持ち合わせていない」として、変更については明言しなかった。すでに契約している教室も含めて、話し合いをすすめていくとしている。

●最高裁第一小法廷の判決(2022年10月24日)

https://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/473/091473_hanrei.pdf