アニメ『鬼滅の刃』の冨岡義勇役などで知られる人気声優の櫻井孝宏さんが、既婚であることを隠して、放送作家の女性と不倫していたと『文春オンライン』が報じて、話題になっている。

文春オンライン(10月26日)によると、櫻井さんは女性と10年以上にわたって交際を続けてきた。ところが、既婚である事実は隠したままで、女性との間で結婚話が持ちあがることもあったという。

記事では、櫻井さんがこうした事実を認めており、10月27日、所属事務所の公式サイトを通じて、「今回の件は私の無責任な振る舞いの結果であり、私の行いは決して許されるものではなく、皆さまのご信頼を裏切る形になり深く反省しております」と謝罪した。

また、所属事務所も「記事に掲載されている女性に大変なご迷惑をおかけしましたことを心よりお詫び申し上げます」としている。

一般論として、既婚であることを隠して不倫した場合、どのような法的問題があるのだろうか。濵門俊也弁護士に聞いた。

●不倫相手から損害賠償請求される可能性あり

――不倫相手に対してどのような法的問題がありますか?

単に、既婚であることを隠して交際していただけではなく、性交渉やそれに類する行為に及んでいる場合、相手は性的自由または貞操権を侵害されたとして、損害賠償請求できる可能性があります。

また、法的保護に値する婚姻の予約(婚約)を認められるような事情がある場合、重婚的婚姻予約を有効と解すれば、婚約不履行による損害賠償請求できる可能性もあります。

――配偶者に対してはどうでしょうか?

配偶者からすると、パートナーが不貞行為に及んでいたとすれば、法律上の離婚原因になりえます。離婚請求されてもおかしくありません。

また、離婚の有無にかかわらず、配偶者は、パートナーに対して、損害賠償請求することができます。

――配偶者は、不倫行為の相手に対して損害賠償をもとめることはできますか?

一般論としては、「相手が既婚者であることを知らなかった」、あるいは「既婚であること自体は知っていたが婚姻関係は破綻していると聞かされていた」などの主張は、実務上ありますが、なかなか裁判所を説得できることは少ないです。

ただし、今回のケースでいえば、相手の女性は、既婚であることをまったく知らされておらず、聞かされた際、ショックで緊急搬送されたということですから、本当に知らなかったのかもしれません。

本当に相手が既婚者であることを知らず、知らなかったことに過失がなかった場合には、慰謝料を支払う義務は発生しません。

このような場合、配偶者が、パートナーの不貞行為の相手に対して損害賠償をもとめることは、事実上、難しくなるのかもしれません。

【取材協力弁護士】
濵門 俊也(はまかど・としや)弁護士
当職は、当たり前のことを当たり前のように処理できる基本に忠実な力、すなわち「基本力(きほんちから)」こそ、法曹に求められる最も重要な力だと考えております。依頼者の「義」にお応えします。
事務所名:東京新生法律事務所
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