夫婦間の小さな不満はくすぶる時間が長くなるにつれ、大きな火種となっていくものです。不満のぼやきが日々、投稿されているTwitterには「夫がパンツを洗濯かごに入れてくれない」との悩みを吐露した人がいました。

投稿者の結婚年数は不明ですが、結婚して「何十年」だといい、過去には何度も夫に見直しを要請してきました。仮に30年間、ほぼ毎日洗濯をし、その度にパンツを洗濯機に入れているとすれば、そのため息の数は1万回にのぼることになります。

「こんな些細な事もやってくれないから離婚したい」といいますが、パンツを洗濯かごに入れてくれないことは離婚理由に該当するのでしょうか? 理崎智英弁護士に聞きました。

●「その他婚姻を継続し難い重大な事由」に該当するかどうか

離婚理由は、民法770条1項各号に定められています。

具体的には、配偶者が不貞をしたとき(1号)、配偶者から悪意に遺棄された場合(2号)、配偶者の生死が3年以上不明なとき(3号)、配偶者が強度の精神病にかかって、回復の見込みがないとき(4号)、その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき(5号)です。

夫がパンツを洗濯かごに入れてくれないという理由は、民法770条1項1号から4号までには該当しませんので、「その他婚姻を継続し難い重大な事由」(5号)に該当するかどうかが問題となります。

もちろん、夫がパンツを洗濯かごに入れないという事実だけでは、「継続し難い重大な事由」には該当しません。

しかしそれによって妻が長年ストレスを抱え、妻は何度も夫に見直すよう要請したのにもかかわらず、夫は一向に妻の要請には応じず、他の事情とも相まって夫婦関係が修復不可能な状態にまで悪化してしまった、という状態にまで陥っている場合には、継続し難い重大な事由に該当し、離婚が認められる可能性はあると考えます。

【取材協力弁護士】
理崎 智英(りざき・ともひで)弁護士
一橋大学法学部卒。平成22年弁護士登録。東京弁護士会所属。弁護士登録時から離婚・男女問題の案件を数多く手掛ける。
事務所名:高島総合法律事務所
事務所URL:http://www.takashimalaw.com