通訳として雇われたのに、来日したら店舗の接客・調理で長時間のサービス残業を強いられたーー。タイ料理チェーン「ガイトーン」の従業員だった40代のタイ人女性が、運営会社の「カスタマーズディライト」と同社の中村隆介社長を相手取って、未払い残業代など約700万円を求め、東京地裁で争っている。

女性は4月28日の第1回口頭弁論後、東京・霞が関の司法記者クラブで会見を開き、「希望を持って日本に来たのに、許せない」と憤りを語った。

●店舗業務命じておきながら「在留資格と違う」と退職前倒し

女性側によると、ガイトーンはタイの有名店。女性は、カスターマーズディライトが、同ブランドをフランチャイズ展開する際に必要な通訳として2014年7月、カスターマーズディライトに正社員として入社。来日の際の在留資格も、通訳業務の区分(技術・人文知識・国際業務)で取得した。

しかし、通訳をしたのは店舗オープン時くらいだったという。その後は、店舗唯一のタイ人として、調理・接客に従事。最長で月175時間など、約2年間にわたり、過労死ライン前後の残業を余儀なくされた。女性は管理監督者ではなかったが、残業代は一切払われなかったそうだ。

女性は過労のため、2016年10月頃、退職を申請。未払い残業代を請求すると、会社の態度が一変したという。会社は「通訳」での在留資格と業務の内容(接客・調理)が異なるのは問題があるとして、女性の退職日を前倒し。さらに社宅アパートからの一早い退居を要求してきた。このほか、会社は女性の給与から雇用保険料を天引きしていたのに、加入させていなかったという(現在は、さかのぼって加入している)。

●「ガイトーン」めぐっては、別の残業代請求事件も

「ガイトーン」をめぐっては昨年10月、最長月200時間以上の残業をさせられ、うつ病になったなどとして、休職中の男性従業員が会社に未払い残業代などを求め、東京地裁に提訴している。

会社HPによると、カスタマーズディライトはガイトーンのほか、居酒屋「筑前屋」など国内外で100店舗近くを経営している。弁護士ドットコムニュースが同社に取材したところ、担当者不在とのことだった。追って、会社側の言い分を取材する。

【午後6時55分追記】

同社担当者は「裁判で明らかにするため、現状でのコメントは差し控える」とコメントした。

(弁護士ドットコムニュース)