子どもの貧困問題の解消を目指し、認定NPO法人フローレンス(駒崎弘樹代表理事)など官民6団体でつくる「こども宅食 コンソーシアム」が、文京区内での「こども宅食」事業を7月20日にスタートさせた。売れ残りや期限切れといった「食品ロス」などを活用し、抽選による150世帯に食品を届ける。9月にテスト発送を行い、10月に第1回の正式発送を行う。配送世帯は今後広げていきたいとしている。

対象は文京区内で「児童扶養手当」(約700世帯)または「就学援助」(約1000世帯)を受給する世帯。文京区が対象者に順次手紙を送っており、希望者を募っている。登録は原則としてLINEを活用。利用者へのアンケートなども通して、支援につなげる考えだ。

配送されるのは、米や飲料、お菓子など、企業からの寄付や栄養バランスを考え買い足した食品など。支援情報を分かりやすくまとめたチラシなども入れる。1回10キロ程度を予定しており、2017年度は2カ月に1回、2018年度は月1回の配達を目指す。すでにキリンやフードバンク山梨など、複数団体が協力を表明しているという。

●行政と民間が提携「支援をピンポイントで行える」メリット

2015年の厚労省の調査によれば、日本の子どもの13.9%が貧困の状態にあるといわれている。しかし、貧困の実態は見えづらく、民間の支援団体には、対象世帯の掘り起こしが困難な状態にあった。

その点、「こども宅食」は、支援団体が情報を持つ行政と直接つながり、ピンポイントで支援を行えるのが特徴だ。行政にとっては、リスクも伴うが、駒崎氏らの考えに、成澤廣修区長が共鳴した。

一方で、配送世帯の情報はセンシティブ。利用者の把握にLINEを活用するなど、個人情報流出のリスクを減らすほか、配送では、周囲から分からないように、協力する民間の運送会社を利用。配送スタッフに一定の説明を行うなど、周囲からの「スティグマ化」(負の烙印が押されてしまうこと)が起こらないよう配慮するという。

初期費用は、投資家・村上世彰氏が創設した、一般財団法人村上財団(村上絢代表理事)が支援。今後の活動資金は、ふるさと納税を活用するとしており、同日から2000万円を目標に支援の募集を開始した。返礼品はないが、全額が事業推進に利用される。「強いて言えば、子どもたちの生活が支えられ、世の中が変わって行くことが返礼品だ」と駒崎氏。成澤区長も「返礼品競争に一石を投じたいという思いもあった」と打ち明ける。運営のノウハウは各地域に共有し、全国に広げていく考えだ。

コンソーシアムの参加団体は以下の通り。認定NPO法人フローレンス、NPO法人キッズドア、一般社団法人RCF、一般財団法人村上財団、認定NPO法人日本ファンドレイジング協会、文京区。

(弁護士ドットコムニュース)