交通量の少ない住宅街では、路上で子どもたちが遊ぶこともありますが、時に、近隣住人との間でトラブルに発展することもあるようです。ネット上では、そんな子どもたちを「道路族」と呼ぶことも。子育て情報サイト「ママスタ」の掲示板にも「道路族が嫌いな人」というスレが立ち、議論になっていました( http://mamastar.jp/bbs/comment.do?topicId=2292889 )。

スレを立てた人は「道路で子どもを遊ばせる親が嫌い。迷惑に感じてる人、結構いるんじゃないのかな?」と。中には「小学校には3度通報、警察には2度通報しました」という人も。この方には「自転車・一輪車・キックボードなどで、少し坂になっている我が家の前の道を何度も猛スピードで駆け下りたり、グルグルグルグル、エンドレスで走り回る。もちろん喚き声とプラカーの轟音付き」という被害を訴えます。

弁護士ドットコムの法律相談コーナーには、「人生をめちゃくちゃにされたんだからかなり支払ってもらわないと気がすみません」として、「道路族問題でどのくらい慰謝料が取れるか」と質問する人も。やめさせるにはどうすればいいのでしょうか。松岡義久弁護士に聞きました。

●「道路族」に法的な問題はあるのか?

「いわゆる道路族については、私が子どものころも同様の行為はあり、近年になって顕著に増加しているという印象はありません。(迷惑だという声が出ているのは)権利意識やライフスタイルの変化も背景にあるでしょうし、近所づきあいが減り、子どもやその親に注意がしづらい環境になっていることも、問題を難しくしていると思われます」

法律には、道路族について定めた条文はあるのだろうか。

「道路交通法では、『道路において、交通の妨害となるような方法で寝そべり、すわり、しゃがみ、又は立ちどまっていること』や『交通のひんぱんな道路において、球戯をし、ローラー・スケートをし、又はこれらに類する行為をすること』を禁止し(76条4項2号、3号)、これに違反した場合には、5万円以下の罰金が科せられます(120条1項9号)。

また、同法は、『児童』(6歳以上13歳未満の者)や『幼児』(6歳未満の者)を『保護する責任のある者は、交通のひんぱんな道路又は踏切若しくはその附近の道路において、児童若しくは幼児に遊戯をさせ、又は自ら若しくはこれに代わる監護者が付き添わないで幼児を歩行させてはならない』(14条3項)と規定しています。

したがって、このような場合には、警察に通報して対応を求める余地があります。警察に熱心に対応いただけない場合には、その状況について証拠(実際の行為、これが頻繁に繰り返されている状況等)を収集することも必要になるでしょう」

●慰謝料はとれるの?

道路族に悩む人の中には、慰謝料請求を検討する人もいるようだ。

「慰謝料については、一般生活上受忍すべき限度を超えているような状況が必要であり、ハードルが高いでしょう。家の前を、自転車・一輪車・キックボード等で何度も駆け降りる、走り回るという事例でも、その『何度も』という頻度、時間、時刻やその音量にもよりますが、慰謝料が認められるまでのケースはかなり少ないと思います。

そうすると、さきほど述べた通り、警察に通報することは1つの有効な方法です。それ以外にも、町内会、マンション管理組合、PTA、子供会など地域、関係団体を巻き込んで協議、注意喚起を行うなどの被害軽減策も検討されることをお勧めします」

(弁護士ドットコムニュース)

【取材協力弁護士】
松岡 義久(まつおか・よしひさ)弁護士
横須賀市内(京急横須賀中央駅徒歩5分、裁判所徒歩2分)で事務所を共同経営するパートナー弁護士。京都大学法学部卒、警察庁(国家Ⅰ種)を退職後、2回目で司法試験合格。相続、交通事故、債務、離婚、中小企業、行政のトラブル、顧問など幅広い分野を専門に扱う。
事務所名:宮島綜合法律事務所
事務所URL:http://www.miyajimasougou.com/