日本弁護士連合会(中本和洋会長)は12月8日、同会の副会長に占める女性の割合を高めるため、会則の一部を変更して、いわゆる「女性副会長クオータ制」を2018年度から導入することを決めた。この日の臨時総会で提案され、賛成多数で可決した。関係者らは「風穴を開ける改革だ」と評価している。

日弁連の副会長は定員13人・任期1年で、会長を補佐するなど、執行部の中心的な立場だ。2017年度までに合計12人の女性が就任しているが、女性が初めて就任したのは2003年で、その後も0人という年があった。男女共同参画を推進するため、継続的に一定割合を女性にすべきだという議論がすすんでいた。

来年度から適用されるルールは、(1)副会長の定員(13人)を2人増やして15人とする、(2)副会長のうち2人以上は女性が選任されなければならない――というものだ。また、同一弁護士会から2人以上の副会長の選任は禁止されているが、女性が含まれる場合に限って、同一弁護士会から2人まで選任できるとしている。

同会のワーキンググループ座長をつとめた山田秀雄弁護士は、臨時総会後の記者会見で、「そもそも女性副会長が『いない』ということが異常だ。自然に手を挙げる人が増えていけば、こうした制度をつくる必要はない。それが理想的なありようで、そうなるまでの時限的な制度だ」と話した。司法書士行政書士といった隣接士業で導入しているところはなく、画期的な改革になるという。5年後に制度の見直しが入る予定。

●「社会に良い変化をもたらすのではないか」

日弁連の田村智幸副会長は会見で、次のような賛成討論が臨時総会であったことを紹介した。奈良県の女性弁護士によるもので、この発言を聞いて、意見を変えた弁護士もいたという。

「このクオータ制は、私たち女性のためだけでないと思っています。むしろ社会のために、一定期間、導入すべき制度だと思います。社会の中で生活していると、『ジェンダー・バランスはこれでいいのか』という気持ちになることがよくあります。このクオータ制は、そのような違和感を少し緩衝してくれる制度かもしれないと思っています。

クオータ制の導入によって、仕事、家事、育児の過剰な負担を誰か少しずつ分担して、担わざるをえなくなると思っています。誰が担うかは、それぞれの境遇によりますが、勤務先が仕事の負担を減らすよう配慮せざるを得なくなるかもしれない。パートナーが担うとすれば、家事の分担や生活のリズムが変わっていく。少しずつ世の中の物事が変わっていく、前進するきっかけになると思います。

この制度が投げかける波紋は、弁護士を含めた社会が、男女にずるずると担わせている既存のジェンダー・バランスを少し崩すものになると期待しています。それは、社会にとって少しでも良い変化をもたらすのではないでしょうか」

(弁護士ドットコムニュース)