2014年6月に大手スーパー「いなげや」に勤務していた男性従業員(当時42)が亡くなったのは、会社側が安全配慮義務を怠ったためだとして、遺族が12月27日、同社に約1億654万円の損害賠償を求め、東京地裁に提訴した。

遺族は話し合いでの解決を望んでいたが、会社から返答がなく提訴に至った。遺族は「亡くなった後も労災が認められた後も、まともに遺族と向き合ってくれない会社の対応には憤りをもっています」とコメントした。

●交渉が進まず、提訴

訴状などによると、男性は1995年に入社し、2011年11月から埼玉県内の店舗で一般食品部門のチーフ(非管理職)を担当していた。2014年5月下旬、勤務中に体調を崩して約1週間入院。復帰して3日後の6月5日には、勤務後駐車場で倒れ、病院に搬送されたが6月21日に亡くなった。死因は脳梗塞(血栓症)だった。

さいたま労基署は2016年6月、少なくとも毎月80時間ほどの残業があったことや、不規則なシフト制などが影響したとして労災認定した。

提訴前に厚労省記者クラブで会見を開いた遺族の代理人弁護士によると、遺族は(1)会社の責任であることを認めて謝罪する(2)相当額の金銭支払い(3)サービス残業の実態調査と再発防止策の3点を求め、同社と交渉しようとしていた。しかし、同社の代理人弁護士を通じても交渉が進まず、提訴に至ったという。

遺族は「話し合いの場では、労災の責任を認めてもらい、何より本人が会社のため頑張って働いてきたことを認めてくれるのではないかと、淡い期待をしていましたが、こういった結果になって残念です。訴訟において、家族としても本人の無念さを晴らせるように頑張るつもりです」とコメントを発表した。

(弁護士ドットコムニュース)