フォトジャーナリズム誌「デイズジャパン」の元編集長・広河隆一氏のセクハラ、パワハラ問題をめぐる検証委員会の報告書が12月27日、ホームページで公開された。

●性交の強要3人、裸写真の撮影4人

報告書によると、検証委員会に寄せられた証言に基づいて、まとめられたセクハラの被害態様(2004-2017年)は以下の通りだ。

・性交の強要 3人 ・性交には至らない性的身体的接触 2人 ・裸の写真の撮影 4人 ・言葉によるセクシャルハラスメント(性的関係に誘われる等)7人 ・環境型セクシャルハラスメント(AVを社員が見える場所に置く)1人

上記は「情報提供に基づく被害人数。1人が複数の態様の被害を受けていた場合は、それぞれの被害ごとに人数をカウントした」としている。

広河氏への尊敬の念に乗じて、セクハラに及んだことや、広河氏の優越的地位によって精神的に圧力を感じて、生的要求に応じざるを得なかったり、明確な拒絶ができなかったりする点が特徴的だという。「性交に及ぶ」「身体に触る」などの深刻な実態は、ボランディアやアルバイトを対象にしたものが目立つ。

報告書では、広河氏のパワハラ行為についても詳細に分析している。

●「大きな権力に対峙している弱者側」という自意識が強いと、他者への強者性の自覚が乏しくなる

今回の問題の特徴として、「小権力」に鈍感な組織になりやすいこと、閉鎖的な組織になりやすいこと、トップに権限が集中しやすいこと、内部での監督・抑止機能が働かない組織になりやすいことをあげている。

特に、デイズジャパンのような社会正義実現のための大きな権力に向けた戦いにおいては、内部では上意下達のピラミッド型になりやすく、「小さな権力」の濫用が過小評価されがちになり、足元のチェックが不十分なものになるという。さらに、「大きな権力に対峙している弱者側」という自意識が強いと、他者への強者性の自覚が乏しくなることを指摘している。

反権力を主張することで、「自分は人権のことはよくわかっている」「弱者の側にたっている」との思い込みが強くなりがちであり、「『人権派』である自分たちの言動が人権侵害や差別に当たるかどうかの自省を弱めてしまう要因にもなる」としている。

●「加害者としての自制と責任の履行を公にする」ことを求める

報告書を受け、デイズジャパンはホームページにコメントを公表し「当社は、検証報告書にあるとおり『加害者としての自制と責任の履行を公にすることこそが、広河氏にできる、社会的意義ある最後の仕事』であると考えます」とした。

また「当社としては、広河氏に対し、『まずは自分が行ったことを直視し、独善的で自己中心的な弁明を公の場で行うことは控え、これ以上被害者らに恐怖と苦痛と不安感を与えるような言動は絶対にしないよう、行動を自重することを強く求める』との勧告を遵守するよう求めます」

同社では、被害者の相談窓口も設置。コメントでは「改めて、被害に遭われた方々に深く謝罪いたします」と結んだ。