そもそも肌が日焼けするってどういうこと?


腕の炎症

●肌が日焼けする仕組み
私たちの皮膚は、表皮、真皮、皮下組織の3層で成り立っています。このうち、一番上の層である表皮は角質層、顆粒層、有蕀層、基底層の4層で成り立っており、外敵から身体を保護する働きがあります。そんな表皮が紫外線のダメージを受けると、まず角質層が紫外線を跳ね返して、紫外線が身体の中に入り込んでしまうのを防ごうとします。しかし、紫外線の量などが強いと、角質層よりも更に奥へ紫外線が入り込んでしまいます。そのような紫外線が基底層に入り込むと、基盤層に存在するメラノサイトがメラニン色素を放出。表皮中へ入り込んだ紫外線を吸収し、身体を守ろうとするのです。しかし、メラニン色素が放出されると、肌細胞へ色素沈着が起こり、肌が黒くなってしまいます。紫外線量の多い夏場などに外出をすると日焼けしてしまうのも、メラノサイトが紫外線の身体への侵入を防ごうとしてメラニン色素を大量に放出してしまうためといえます。

●紫外線によって肌が負うダメージとは
この中には「メラニン色素が肌を紫外線を吸収してくれるなら、日焼けをしても大丈夫なのでは?」と思われる方もいるでしょう。しかし、メラノサイトが放出できるメラニン色素の量には限界があります。また、メラニン色素もすべての紫外線を吸収できるわけではないので、何らかの紫外線対策に努めなければ、肌が紫外線によってダメージを受けてしまうことになります。
まず、紫外線にはコラーゲンやエラスチンを破壊する働きがあります。コラーゲンやエラスチンが破壊されれば、肌の弾力は低下。重力に逆らえないたるんだ肌となり、たるみやしわが引き起されてしまいます。
また、紫外線を浴びると、メラノサイトからメラニン色素が多数放出されるようになることで、肌が黒くなります。新陳代謝の活発な健康な肌の場合、肌の中に放出されたメラニン色素は垢や角質となって体外へ排出されていくのですが、紫外線によってダメージを受けた肌の場合、新陳代謝が正常に行われなくなるためにメラニン色素が皮膚中に残り、シミの原因となってしまいます。
さらに、紫外線には肌の水分を奪う働きもあります。紫外線によって肌から水分が奪われると肌は脱水状態となり、弾力やハリ、潤いが失われてしまいます。そんな状態の肌がさらに紫外線のダメージを受ければ、すべての水分が奪われてしまうことから肌は火傷状態となり、炎症の原因になるともいわれています。

このように、日焼けをすると、紫外線が身体の中へ侵入するのを防ごうとして、肌が様々なダメージを負ってしまいます。いつまでも健やかで美しい肌を維持するためにも、日焼けをした際には正しいケアを行い、肌の回復をサポートしてあげましょう。

日焼けしたときの応急処置


手を冷やす

●まずは冷やすことが何よりも大切
日焼けをしたら、まずは何よりも患部を冷やすことからはじめましょう。黒くなるほど日焼けしている肌は、水分の失われた火傷状態になります。炎症や水ぶくれなど目に見える症状があらわれなくても、肌の中は熱がこもったダメージ状態にあるので、冷やして肌を鎮静させることが大切です。
冷やし方としては氷水を入れたビニール袋を患部にあてて冷やすのもいいですし、氷水にひたしたタオルをあてて冷やすのもOKです。擦ったりなど、肌に刺激が加わらないようにだけ注意してください。

●冷やした後は日焼けのレベルをチェック
日焼けは、3つのレベルに分類することができます。我慢できないほど皮膚がほてる重度の日焼けは“Ⅲ度の熱傷”、ヒリヒリする中度の日焼けは“Ⅱ度の熱傷”、ほてりやヒリヒリ感はない軽度の日焼けは“Ⅰ度の熱傷”に分類されます。日焼けをしたら、自分の日焼けがどのレベルの日焼けにあてはまるかを見極め、各日焼けのレベルに応じた処置を行う必要があります。
以下では、各日焼けのレベルの特徴やレベルに合った処置の方法などを詳しくご紹介していきます。

軽度な日焼けに施すべきケア


パックする女性

●軽度な日焼けの症状
痛みや刺激のない肌の色が黒ずんだ程度の日焼けは、Ⅰ度の熱傷に分類される軽度な日焼けです。軽度な日焼けは、痛みや刺激がないことから放置されがちですが、肌はしっかりダメージを受けている状態なので、ただしい処置とケアを施して肌の回復を促してあげることが大切です。放っておけば、紫外線のダメージによってコラーゲンやエラスチンの破壊が進み、たるみやシワの原因となる可能性もあります。また、メラニン色素が肌の中に放出された状態になっているため、ターンオーバーを促してあげなくてはメラニン色素がシミとして残ってしまうかもしれません。

●保湿力の高い化粧水・乳液で徹底したスキンケアを
軽度の日焼けは、氷水などでしっかり冷やした後、保湿力の高い化粧水と乳液を使って丁寧にスキンケアしてあげましょう。保水力の高いセラミド入りのものがおすすめです。不足状態にある水分が補われることで、ダメージの回復を早めることができます。なお、化粧水や乳液を塗り込む際は、パチパチ叩いたり擦ったりせず、手、もしくはコットンなどで押し込むように成分を浸透させましょう。

中度の日焼けに施すべきケア


クリーム

●中度の日焼けの症状
ヒリヒリしたり、痛みを感じるような日焼けは、Ⅱ度の熱傷に分類される中度の日焼けです。軽度の日焼けと異なり、何らかの刺激を感じるのは紫外線のダメージが表皮の奥にある真皮にまで及んでしまっている証拠。水ぶくれができてしまうこともあります。表皮の角質層だけでは紫外線をカットできず、メラニン色素も大量に放出されている状態なので、正しいケアを行わなければたるみやシワ、シミなどの原因となります。

●顔や身体を洗うときはぬるま湯のみで
中度の日焼けをしているときは、洗顔フォームやボディソープを使わず、ぬるま湯だけで顔や身体の汚れを落とすようにしましょう。中度の日焼けは、肌に炎症が起こっている状態。そんな状態の肌に洗顔フォームやボディソープを使用すると、刺激が強すぎる上に乾燥を招き、肌の回復に必要な水分も奪われてしまいます。
顔は肌を擦らないようにぬるま湯をかけるようなイメージで、身体は36度〜38度のぬるめのシャワーで汚れをかけ流すようなイメージで洗いましょう。

●洗顔後は軟膏でケアするのが正解
中度の日焼けを負っている肌には、化粧水や乳液などのスキンケア化粧品の使用を控えてください。スキンケア化粧品の成分は、炎症している肌には刺激が強すぎます。特にアルコールの入っているものは状態を悪化させてしまいますので、絶対に使用しないようにしましょう。
では、どのような方法でケアするのかというと、おすすめは軟膏です。軟膏には抗炎症成分が含まれているので、中度の日焼けによって引き起こされてしまった炎症を鎮めることができます。ステロイド入りの物は刺激が強すぎるので、オロナイン軟膏やニベアクリームなど、ステロイドの入っていないものを選んで使ってください。

●症状が落ち着いたらスキンケアで肌を保湿
中度の日焼けは、痛みなどが治まってきた段階で普段通りのスキンケア・ボディケアに戻して問題ありません。顔、身体、すべての肌が水分不足になっていますので、セラミド入りの保水力の高い化粧水・乳液で丁寧にケアしていきましょう。紫外線のダメージによってコラーゲンやエラスチンが破壊されている可能性も高いので、肌のハリ・弾力を取り戻すためにも、ヒアルロン酸入りの化粧水・乳液を使うのもおすすめです。

重度の日焼けに施すべきケア


受診する女性

●重度の日焼けの症状
重度の日焼けは、Ⅲ度の熱傷に分類される大変危険な状態です。表皮はもちろん、真皮全域、酷い場合には皮下組織にまで炎症が起こってしまっています。正しい処置を行わなくては、ケロイドや瘢痕(はんこん)が残ってしまうこともあり、審美性にも支障をきたします。なお、重度の日焼けの中には、痛みが生じないものもあります。これは、炎症が起こっていないのではなく、皮膚の上層部が壊死してしまっているために感覚を感じなくなるというもの。これくらい重度の日焼けだと、機能障害にもつながりかねないため、絶対に放置は禁物です。

●重度の日焼けをしたら皮膚科へ
重度の日焼けをしたら、すぐに皮膚科で診てもらいましょう。皮膚科へ行けば、その日焼けのレベルに応じて適切な処置を施してくれます。炎症が酷い場合には、ステロイドやヒスタミンなどの専門的な塗り薬も処方してもらえます。
なお、皮膚科へは、日焼けをしてから3日以内に行くのがおすすめです。というのも、紫外線を浴びた際に放出されるメラニン色素は、皮膚中に定着するまでに3日間かかるといわれています。つまり、3日以内に皮膚科へ行って何らかの処置を受ければ、肌のターンオーバーが促進されることからメラニン色素の定着を防ぐことができ、シミなどの予防につながるのです。肌の美容と健康のためにも、重度の日焼けをしたら1日でも早く皮膚科へ足を運ぶようにしましょう。

●水分補給を心掛けよう
皮膚科で診てもらった後は、水分補給を心掛けましょう。重度の日焼けを負うと、身体が患部の回復を図ろうとして多くの水分を使用するため、脱水症状になりやすくなるのです。このため、水やスポーツドリンクを飲んで身体の中に水分を補給してあげてください。

●身体の外よりも身体の中からのケアを重視
重度の日焼けを負うと、肌への刺激を避けるためにしばらくの間スキンケアができません。このため、症状が落ち着くまでの間は、化粧水や乳液を塗ったりするような外からのケアではなく、食べ物の栄養素にこだわって、身体の中から肌をケアしていきましょう。
おすすめは、肌の再生を促してくれるビタミンE、メラニン色素の還元・抑制に働きかけてくれるビタミンCの豊富な食べ物。レモンやアボカド、ナッツ類など、野菜を中心に栄養バランスのとれた食事を心掛けましょう。
そして、症状が落ち着いてきたら、保湿やスキンケアを開始しましょう。セラミドやヒアルロン酸といった保水力・保湿力に優れた成分が配合されているものがおすすめです。

生活習慣の見直しで日焼けをケア


笑顔の女性

●睡眠はしっかりとる
質の高い睡眠には、肌の新陳代謝を高める効果があります。特に夜10時から深夜2時にかけての4時間は“肌のゴールデンタイム”と呼ばれており、肌のターンオーバーを正常に整えてくれる女性ホルモンの分泌がアップする時間帯です。この時間帯に眠りについていれば、日焼けで負ったダメージの回復を早めることができますよ。日焼けをしたら、早寝・早起きを心掛けましょう。

●栄養バランスの整った食事を意識
前項でもお話した通り、日焼けによってダメージを負った肌を回復させるには、スキンケアなどの外側のケアだけでなく、食事内容にもこだわって、身体の内側からも肌に働きかけてあげなくてはなりません。
肌の乾燥やニキビの原因となる脂質や糖分の多いものはなるべく避け、ビタミン・ミネラルの豊富な野菜・海藻・豆類を積極的に摂取しましょう。

肌を早く回復させたい方の日焼けケアとは?


サプリメント

●病院の日焼け治療を受ける
日焼けは、熱傷という立派な皮膚の病気です。このため、皮膚科へ行けば、赤み、痛み、水ぶくれ、かゆみ、皮剥け、腫れなど、その日焼けの状態に合った適切な治療を受けることができます。もちろん、治療には保険が適用されますので安心してください。
なお、保険の適用外にはなりますが、皮膚科の中には日焼けによってできたシミを薬やレーザーで消してくれるところもあります。審美性を重視される方には、そういった治療もおすすめです。

●サプリメントの摂取
日焼けをしたら、サプリメントを摂取するのもおすすめです。肌の新陳代謝を活性化させるビタミンE、メラニン色素の還元・抑制に役立ってくれるビタミンCのサプリメントを摂取すれば、日焼けによるダメージの回復が早まるのはもちろん、たるみやシワ、シミもできにくくなるといわれています。
なお、サプリメントの中には、“飲む日焼け止め”として話題の日焼けしにくくなるサプリメントもあります。海やフェスなどの日焼けしそうな場所へ行くときには、日焼け止めを塗るだけではなく、そういったサプリメントをあらかじめ摂取しておくのもおすすめです。

日焼け=肌の火傷!放置せずに正しいケアを!


青空

日焼けをすると、紫外線によってたるみやシワ、シミが引き起こされてしまうだけでなく、皮膚の炎症によってケロイドや瘢痕ができてしまうこともあり、審美性に大きな支障が及んでしまいます。重度の日焼けをしてしまった場合には、機能障害などの健康被害につながってしまうこともあるので、注意が必要です。
外出の際は、日焼け止めクリームを塗ったり、日焼け止め効果のあるサプリメントを飲んだりして、徹底した紫外線対策を行ってくださいね。万が一日焼けをしてしまった場合も、今回ご紹介した正しいケアを施して、肌の回復を早めてあげましょう。