冬ならではの肌トラブルにご用心! 高瀬聡子先生

乾燥に悩んだときに見直したい、自宅ケア方法


冬の乾燥にご用心!肌の乾燥が気になるとき、自分でできる簡単ケア

肌の乾燥度合いを左右するのは、水分保持能力と皮脂量のふたつ。肌表面の表皮に含まれるセラミドを主成分とする細胞間脂質の働きと、表皮内の角質細胞が持つ天然保湿因子(NMF)の働きにより、肌は本来、水分を保持し、うるおいを生み出すことができます。また、肌表面を覆う皮脂膜が機能することで、水分を外に逃がさずに、肌を守ることができるもの。

「でも、これは肌が正常に機能している場合。『乾燥で悩んでいます』と、来院される患者さんは年々増えているんです」と高瀬先生。それはなぜなのでしょうか?

「ひとつめに、クレンジングの洗浄力が上がっていること。油性のメイクを落とすため、多くのクレンジング剤には界面活性剤が入っていますが、それが強すぎると肌表面の皮脂が奪われ、乾燥が進んでしまいます。また、強い力でこすり洗いしたり、不必要なほど何度も洗顔したりと、洗いすぎることで肌に負担をかけている場合もあります。

さらに、抗菌への意識が高まったこと。強い殺菌作用のあるクリームや石けん、生活用品にはアルコール成分が含まれていることが多く、必要な皮脂まで奪ってしまいます。乾燥が気になるときは、刺激の強いものを肌につけるのは避けましょう」(高瀬先生)

クレンジングと洗顔剤の一緒になった、オールインワンの洗顔料はとくに刺激が強いので避けたほうがベター。洗浄力の優しい、クリームやミルクタイプのクレンジングに切り替えること。できるだけ肌をこすらないよう、肌に優しくのせてなじませ、洗い流すのがオススメだそうです。

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乾燥したときの水分・油分の正しい補い方


冬の乾燥にご用心!肌の乾燥が気になるとき、自分でできる簡単ケア

では、乾燥が気になったときは、どんなケアが必要なのでしょうか?

「乾燥肌が気になるときは『水分と油分を補う』ケアが必須! ただし、水分と油分を肌に含ませるためには、事前に古い角質を除去しておくことも大切です。

特に30代以降はターンオーバーの機能が落ちるので、古い角質が肌に残りがち。それを残したままケアをしても、肌に水分は浸透しにくいです。ゴマージュやスクラブで、肌表面の古い角質を取り除きましょう。また、サルチル酸などを含んだピーリング剤を使うのも手です」(高瀬先生)

そのうえで、化粧水で水分を補い、クリームやオイルで油分をプラス。

「最近は肌本来の水分保持能力が落ちている方が多いので、水分を補ってから、油分で蓋をしましょう。保湿効果の高い化粧水を使い、時間をかけて何度もじっくりと肌に浸透させます。コットンに含ませ、肌のうえに置くローションパックもいいですね。両手で顔を触ったとき、手のひらに皮膚が吸い付いてくる感覚があれば、水分が補われた証です。

油分を補いたいとき、手軽に入手しやすいのがワセリンです。保湿効果はありませんが、肌表面を油分で覆い、水分を閉じ込めて肌を保護します。また、近年注目されているのが『ヘパリン類似物質』。ヒルドイドという名の商品が有名ですが、そこに含まれるヘパリン類似物質は保湿力を上げるのに、優れた効果を発揮します。医師による処方箋が必要ですが、最近では少量のヘパリン類似物質が含まれた市販薬も販売されています」(高瀬先生)

乾燥肌を放置すると、敏感肌になる!?


乾燥肌の患者さんは年々増えているそうですが、なぜなのでしょうか?

「『私、敏感肌なんです』と言って来院される方が、年々増えています。そのうちの1/3はもともと敏感肌の方ですが、もう1/3は自ら敏感肌を作ってしまった人、残り1/3は敏感肌までは至っていない乾燥肌の人という割合です。

敏感肌は、乾燥肌が悪化してなるもの。敏感肌ではないと油断してケアをしないと、いずれ敏感肌になる可能性もあります。どんな肌でも、保湿ケアは丁寧におこなったほうがいいでしょう」(高瀬先生)

生まれついての敏感肌ではないのに、乾燥ケアを怠ったせいで敏感肌になってしまっているとしたら、もったいないですよね! 乾燥を放置して肌質が変わってしまう……なんてことのないよう、自宅で丁寧なケアを心がけたいものです。

■監修
高瀬 聡子 先生
ウォブクリニック 中目黒 院長/皮膚科医
ドクタープロフィール