2022年5月28日、29日、電動バイクレースFIMエネルMotoEワールドカップ第3戦イタリア大会の決勝レースがイタリアのアウトードロモ・インテルナツィオナーレ・デル・ムジェロ(ムジェロ・サーキット)で行なわれました。レース1ではドミニケ・エガーター選手、レース2ではマッテオ・フェラーリ選手が優勝、唯一の日本人ライダー大久保光選手はレース1で11位、レース2は転倒リタイアで終えています。

MotoE実力派ライダーが上位を争い、シーズン折り返しを迎える

 電動バイクによって争われる世界選手権『FIM Enel MotoE World Cup』(以下、MotoE)第3戦イタリア大会は、MotoGP第8戦イタリアGPに併催で行なわれました。4年目を迎えたMotoEの中で、ムジェロ・サーキットでの開催は初となります。

ムジェロ・サーキットの1km以上にわたるメインストレートでは前を走るライダーの後ろにつき、1コーナーまでに追いつく。そんな攻防が繰り広げられた
ムジェロ・サーキットの1km以上にわたるメインストレートでは前を走るライダーの後ろにつき、1コーナーまでに追いつく。そんな攻防が繰り広げられた

 このイタリア大会では、前戦フランス大会で転倒した際に左足を骨折したジョルディ・トーレス選手と、4月中旬に行なわれたFIM世界耐久選手権(EWC)開幕戦ル・マン24時間耐久レースで椎骨を骨折したブラッドリー・スミス選手が欠場しています。

 トーレス選手の代役としてマッシモ・ロッコリ選手、スミス選手の代役としてアンドレア・マントヴァーニ選手が参戦しました。2020年、2021年チャンピオンのトーレス選手ですが、前戦に続く2戦連続の欠場となっています。

 また、チャビ・カルデルス選手は予選中の転倒、アクシデントにより右足小指を骨折したため、決勝レースを欠場、レースは17名のライダーで争われることになりました。

レース1:混戦のトップ争いを制したエガーター選手

 土曜日のレース1はドライコンディションとなりライダーはスリックタイヤを使用しましたが、変わりやすいコンディションを鑑み、今季初のウエットレースが宣言され、周回数は当初の予定の6周から5周に短縮されました。

レース1ではドミニケ・エガーター選手(#77)がトップ争いを制して優勝。昨年よりも強さにさらなる安定感が加わった感がある
レース1ではドミニケ・エガーター選手(#77)がトップ争いを制して優勝。昨年よりも強さにさらなる安定感が加わった感がある

 スタートでは遅れたポールポジションのエガーター選手でしたが、1周目で再びトップに浮上します。しかし2周目に4番手スタートのエリック・グラナド選手がエガーター選手をかわしてトップに立ちました。3周目、2番手のエガーター選手がグラナド選手をパス。4周目のメインストレートでは数人のライダーがトップを争う様相となり、1コーナーでフェラーリ選手がトップを奪います。

 最終ラップのメインストレートは再び接戦となり、一時は4番手に後退していたエガーター選手がここでトップに立ちます。エガーター選手はそのままトップでチェッカーを受け、優勝を飾りました。2位はフェラーリ選手でした。

 フィニッシュライン直前でグラナド選手をかわしたマントヴァーニ選手が3番手でフィニッシュしましたが、タイヤの空気圧違反により失格、最終結果はグラナド選手が3位となりました。唯一の日本人ライダー大久保選手は、最終結果11位でレース1を終えています。

レース2:初代王者フェラーリ選手が今季初優勝

 日曜日に行なわれたレース2はドライコンディションとなりました。序盤はケビン・ザンノーニ選手がレースをけん引していましたが、3周目の1コーナーでフェラーリ選手がトップを奪います。

レース2ではMotoEの初代チャンピオン、マッテオ・フェラーリ選手(#11)が中盤以降、レースをけん引し、優勝した
レース2ではMotoEの初代チャンピオン、マッテオ・フェラーリ選手(#11)が中盤以降、レースをけん引し、優勝した

 5周目、その後方ではザンノーニ選手をかわしてミゲール・ポンス選手が2番手に浮上しました。最終ラップに激しい追い上げを見せたのはエガーター選手で、一時は7番手にまで後退していたところから4番手につけると、最終コーナーで3番手に浮上。さらにフィニッシュライン直前で2番手にポジションを上げました。優勝したのはMotoE初代王者のフェラーリ選手、2位はエガーター選手が獲得しています。

 レース後、黄旗区間の走行違反により3番手でフィニッシュしたマルク・アルコバ選手、また、グラナド選手、ニッコロ・カネパ選手はペナルティを受け、最終結果はポンス選手が3位となりました。大久保選手は1周目の12コーナーで転倒を喫し、リタイアでした。

 当初、併催が予定されていたMotoGP第12戦フィンランドGPが中止となったことから、2022年のMotoEは全6戦で争われることとなり、イタリア大会を終えてシーズンはちょうど折り返しとなりました。

大久保選手(#78)はムジェロ・サーキットでの初レースとなった。独特と言われるこのコースの攻略に苦戦したか
大久保選手(#78)はムジェロ・サーキットでの初レースとなった。独特と言われるこのコースの攻略に苦戦したか

 現在、チャンピオンシップは3戦6レース中、2度の優勝を含む5度の表彰台を獲得しているエガーター選手がトップにつけ、2番手のグラナド選手が29ポイント、3番手のフェラーリ選手が30ポイント差で追う格好です。大久保選手はエガーター選手から71ポイント差の7番手につけています。

 MotoE第4戦は、MotoGP第11戦オランダGPに併催で、6月25日、26日に決勝レースが行なわれます。

■FIMエネルMotoEワールドカップとは……

 2019年にスタートした電動バイクによるチャンピオンシップ。MotoGPのヨーロッパ開催グランプリのうち数戦に併催され、2022年シーズンは各2レース、7戦14レースが予定されている。バイクはイタリアの電動バイクメーカー『Energica Motor Company(エネルジカ・モーターカンパニー)』の電動レーサー『Ego Corsa(エゴ・コルサ)』のワンメイク、タイヤはミシュラン。2022年シーズンのMotoEには11チーム18名のライダーが参戦し、唯一の日本人ライダー大久保光選手は2年目のシーズンを迎えている。