レーシングライダー石塚健選手が、自身が参戦したEWC最終戦ボルドール24hをレポートしてくれました。

マシントラブルでのリタイアの危機を乗り越えて

 皆さんこんにちは!レーシングライダーの石塚健です。

 9月15日から9月18日にかけて、フランスにあるポール・リカールサーキットでおこなわれた、FIM EWC 世界耐久選手権第4戦 ボルドール24時間耐久ロードレースに参戦してきましたので、今回はその後編、決勝レースの模様をお伝えしていきます!

スタート直前のチームと石塚健選手
スタート直前のチームと石塚健選手

 9月17日の15時、いよいよ24時間耐久レースのスタートです。スタートの合図とともに、上空に戦闘機が出現!さすが世界耐久という演出でカッコよく、飛行音にも鳥肌が立ちました。

 スタートライダーは星野選手が務め、自分は2番目のスティントを担当します。まずはひとり23周、時間にすると約45分のスティントを3回ずつ回していきました。

 大きなトラブルもなく順調に周回を重ねていき、スタートから約7時間半が経過。すっかり夜になり、ここからは一人ひとりが休息を取るために、ひとり2スティントずつ連続で走行していくことに。

 そこで夜間にも関わらず、1分57秒台を連発して記録する事ができるなど、徐々にポジションを上げていきます。

走行スティント前に集中する石塚健選手
走行スティント前に集中する石塚健選手

 しかし、その連続スティント1回目の終盤に、まさかのマシントラブルが発生。

 走っているとスクリーンに小さな水滴が付き、最初は雨が降ってきたのかな?と思いましたが、次第に急激にスクリーンとシールドが濡れだしたことで異変に気付きます。

 原因は、エンジンのオーバーヒート。バイクから水が吹きだして、緊急ピットインを余儀なくされました。

 少し不謹慎ですが、スクリーンが濡れた状態で、真夜中のライトアップされたサーキットを時速300㎞以上のスピードで走るという光景は、景色がまるで宇宙のような不思議な感覚でした。

 その後は応急処置を施してもらい、再びコースイン。トラブルは解消したかと思えた2スティント目の中盤に、またもや同じ症状が発生しピットインします。そこから修復の為、2時間程ピットにステイする事となりました。

 メカニックがマシンの修復にあたっている間、ライダーは次のスティントに向けて軽食をとりつつ仮眠をとります。

 トラブルによる走行の中断は残念でしたが、その時点で自分は既に5スティントを走っていたので、軽い耳鳴りと全身の痺れのような感じが続いていたことに加え、疲労感や睡魔にも襲われていたので、つかの間の休息となりとても助かったというのも本心。

 その後、修復が完了して再びコースインします。

ポール・リカールサーキットを駆け抜ける石塚健選手
ポール・リカールサーキットを駆け抜ける石塚健選手

 その後、残り5時間となった6回目のスティントでは、チームベストを大幅に更新する1分55秒559をマーク。最終的には全体の12番手、ストックマシンで2番手となるタイムを記録することが出来ました。

 残り2時間のところでは、身体もかなり疲弊してきており、ツナギを着るのもしんどい状況でしたが、今回ライダーの身体をケアしてくれる先生も帯同してくれていて、おかげで走行毎に疲れを取り除くことができました。

 そして、ラストスティントを前にチームメイトの中冨選手が日本から持ってきてくれていた、カップ麺のどん兵衛を食べる許可も出て、とてもテンションが上がります。

 最後のスティントはライダー3人とも、そのどん兵衛で乗り切ったようなもの(笑)カップ麺の力は偉大です。

 マシントラブルにより、一時はほぼ最後尾まで順位を下げましたが後半徐々に挽回していき、最終的には12チームがリタイアする過酷な状況のなかで、24時間走り切ることができ、結果総合28位、EWCクラス10位でチェッカーを受けることが出来ました!皆様、応援ありがとうございました。

チェッカー後、中冨選手とハイタッチをする石塚健選手
チェッカー後、中冨選手とハイタッチをする石塚健選手

 皆が初めての経験で、先ずは走り切るというのが1番の目標ではありましたが、世界選手権という舞台で、なにがなんでも世界に実力をアピールしたいという思いは常にあり、ミスのないよう最後まで全力で走り続けました。

 そして、ラップタイムやレース展開を見ても十分世界で戦えることが証明できたと思いますし、インパクトを残せたと思うので、自分自身の自信にも繋がる経験となりました。

 本当に過酷で疲れましたが、楽しかったです!今回の経験を今後に活かし、引き続き目標に向かって頑張っていきたいと思います!

 次戦は全日本ロードレース選手権最終戦 MFJグランプリ in 鈴鹿です。今シーズンの集大成、優勝を目指して精一杯頑張りますので、応援よろしくお願い致します!