レーシングライダーの石塚健選手が参戦する全日本ロードレース選手権 ST1000クラス。その最終戦をレポートしてくれました。
苦戦するも全力で戦えた最終戦
皆さんこんにちは!レーシングライダーの石塚健です。
今回は、11月5日6日に三重県にある鈴鹿サーキットで開催された、全日本ロードレース選手権の最終戦 MFJ-GPの参戦レポートを書かせていただきます。

僕の参戦するST1000クラスはシーズン5戦目。あっという間ですが、早くも今シーズンの最終戦となります。9月のボルドール24時間耐久以来、約1か月半ぶりのレースとなりました。
今大会は事前の公式テストがおこなわれず、レースウィークの走行が1日早い木曜日からスタートする流れ。11月ということで、毎年全日本の最終戦はとても寒い印象がありましたが、4日間通して天候に恵まれ、気持ちの良い秋晴れのなかでのレースとなりました。

走行は、前戦となるオートポリスラウンドの初日に転倒し、大破してしまったマシンの確認からスタートし、ライディングポジションや交換したパーツのチェックを行っていきました。しかし、8耐振りとなる鈴鹿サーキットでの走行でしたので、その時のセッティングをベースに走行しましたが、タイヤのグリップ不足に悩まされ、思うように順位を上げられず苦戦します。
2日間を通して様々なセッティングを試み、走行毎にタイムを伸ばすことはできましたが、大きな改善策は見られず、トップとは差が大きい状況で予選を迎えます。
予選は、ダンロップコーナーで転倒した車両が炎上するアクシデントが発生したため、開始早々に赤旗中断。運悪く、アタックラップ中だったので、出鼻を挫かれた気持ちでしたが、仕切り直して再開された後は、このウィークの自己ベストとなる2分10秒521をマークすることができ、一安心。
その後も更なるタイムアップを目指しましたが更新することはできず、決勝レースは4列目10グリッドからのスタートとなります。順位的にはあまり喜ばしいものではありませんでしたが、決勝レースに向けてのフィーリング改善の方向性を掴むことができました。

決勝レースでは4列目から得意のスタートを決め、セカンド集団でレースを進めます。そして7番手で走行を続けながら前を追い、激しい6番手争いを展開します。
そんな激しいレース中に、ひとつの目標でもあったラップタイム、2分09秒台に入れることができ、ハイペースで走行しながら前に出る機会を伺っていました。残り2周で6番手に浮上しましたが、ヘアピンの進入で後方のライダーに再びパスされた際にコース上から押し出される形となり、ポジションダウン。
その後、必死で走行ラインに戻るも、更に後方を走っていたライダーと接触。転倒は逃れましたが、前方とは大きな差が出来てしまい8番手に後退してしまいます。
ポジションを少しでも戻そうと、前を走るライダーとの距離を詰めるも届かず、そのままの順位でチェッカーを受けました。

今シーズンは9月にボルドール24時間耐久に参戦した為、第4戦岡山ラウンドを欠場しましたが、全てのレースでポイントを獲得。最終戦前までは33ポイントで、ふたりのライダーと同点で並んでいましたが、今回の結果でポイントランキング7位を死守することができました。
決して満足のできる結果ではありませんが、鈴鹿8耐ストッククラス3位や、ボルドール24時間耐久参戦など、充実したシーズンを送ることが出来、
自分自身の強み、また弱さをしっかりと把握できたことが、ライダーとして今シーズンの1番の収穫だったと思います。
今シーズン得たもの、そしてこの悔しさを来シーズンに活かしていきたいと思います。
皆様、今シーズンの応援、そしてサポートを本当にありがとうございました!これからも石塚健の応援を、宜しくお願いします。
画像提供:(c) TONE RT SYNCEDGE 4413 BMW