排気量249ccの水冷4ストローク単気筒「BLUE CORE」エンジンを搭載するヤマハ「XMAX ABS」の燃費性能はどうなのか? 実際に走って計測しました。

250クラスのスクーター、国内ブランドとしては数少ない存在に

 このコロナ禍、パーソナルモビリティとしてバイク界全体に販売が増えているとのこと。需要の高まりで中古市場が過熱傾向になり、価格差が少ないなら新車を、というフローもあって、新車販売も好調。足として、趣味として、そして所有感として、という才色兼備な存在として気になるのが、250ccクラスのスクーターです。

 自動車専用道路も走れて、2人乗りでもゆとりがあり、シート下には大きなラゲッジルームも備えています。そこで、ツーリングがてらthe「燃費」研究班はヤマハ「XMAX」のテストに出かけました。取材当時、2021年型が登場する直前だったので、2020年カラーの「マットレッド」です。

 ちなみに、2020年モデルの燃費性能は60km/h定地燃費値(2名乗車時)が41.2km/lでWMTCモード値(クラス2、サブクラス2-2)が33.8km/lとなっています。車重は179kg、燃料タンク容量は13リットルで使用ガソリンはレギュラーです。

 同クラスのライバルモデル、ホンダ「フォルツァ」のそれは60km/h定地燃費値(2名乗車時)が41.5km/l、WMTCモード値(クラス2、サブクラス2-2)が33.2km/lと、こちらは最新モデルの情報です。

国内メーカーでは、同じ250クラスのスクーターとして唯一ライバルに挙げられるホンダ「FORZA(フォルツァ)」(写真右)

 WMTCもクラスが同じことから同一線上で比較ができます。正直、誤差の範囲か? という程度の違い。車重は186kg、ガソリンタンク容量は11リットルとなっています。こちらも近日テスト予定ですので、比較が気になる方はもう少々お待ち下さい。

 the「燃費」では、市街地、高速道路、快走路(ツーリング路)の3つのシーンで実走燃費を計測します。ルートは基本的に同一ルートとして、他機種の過去記事と比較もしやすいコンテンツを目指しています。

 計測はいわゆる「満タン法」ではなく、車載されている平均燃費計を使います。距離も車載のトリップメーターに表示された数値を参考とします。また、走行は周囲の流れに合わせたペースとしてエコラン的な燃費重視の走行はしていません。

動き出せばスイスイ、低めの回転でもしっかり走る

 the「燃費」の市街地計測ルートは、東京都内外苑周辺をスタートし、青山一丁目交差点で国道246号から皇居方面へ。警視庁本庁前を通過し、丸の内のオフィス街を周り、銀座、勝ちどき橋、晴海、豊洲を抜け、首都高速湾岸線沿いの国道375号で東雲付近まで。距離は12.7km、平均燃費計は31.2km/lでした。

いざ、ツーリング燃費の計測へ。都内にある石畳のブティック通りからスタート

 今回も外苑周辺が東京2020開催の関係で一部迂回はあったものの、交通量にはさほど影響がないように思えました。また、丸の内から銀座方向へ左折する交差点もスムーズに曲がれたことも、信号の待ち時間が少なかった好材料でした。結果的に、ジワジワ伸びての記録でした。

 ゼロスタートで意外と高めの回転を使う「XMAX」ですが、動き出せば低めの回転でしっかり走ってくれるので、流れが悪くても低速走行なら燃費への影響は低そうな印象です。大きなトランクをシート下に持ちながらも、シート幅がさほど気にならない造りや、見切りのよい車体のお陰でスイスイ走れることも確認出来ました。

高速道路移動は快適なレベル、巡航距離も伸びそう

 the「燃費」の高速道路燃費計測は2区間で行なっています。都心から房総半島へアクセスするのに便利なアクアラインを渡ったところで一度退出。アクアライン連絡道「袖ケ浦IC」から入り、館山道のジャンクションを南へ。そのまま終点の「富浦IC」まで。計測は料金所を退出した直後にあるコンビニエンスストアの駐車場までの54kmを往路区間とします。復路は快走路燃費の計測を終えた館山道「富津中央IC」から北上し、アクアライン連絡道とのジャンクションを東京方面へ走り、「木更津金田IC」までの25.5km区間、合計79.5kmで計測しています。

ウインドプロテクション効果と不足感のないパワーで高速移動もラク

 アクアライン連絡道の制限速度は80km/hですが、往路の館山道は100km/hから80km/h、そして70km/h(片側1車線)と変化します。復路は100km/h制限一本です。また、館山道はアップダウンが連続するため、過去の取材では館山道区間の長い往路のほうが、復路よりも燃費に厳しい傾向があるようです。

 排気量250ccクラスの単気筒エンジンとCVTを組み合わせた「XMAX」は、車重が179kgながら意外と走ります。登り区間を100km/hキープするにはそれなりにアクセルを開ける必要はありますが、パワー不足の痛痒感を味わう場面はありませんでした。風圧を避けてくれるスクリーン効果もあり、移動は快適でした。

 燃費結果は、往路が38.6km/lで復路が37.9km/l、平均38.2km/lでこなしています。無給油での巡航距離も長く取れそうな印象です。

快走路で平均46.2km/l、これスゴくないですか?

 the「燃費」の快走路(ツーリング路)計測は3区間、合計87.3kmで行なっています。区間1は、「富浦IC」直近のコンビニエンスストアを出発して「安房グリーンライン」を通り、房総半島南端エリアへの21.9km。区間2は、南端エリアから海岸沿いのルートや国道410号、県道34号を経て鴨川市の「大山千枚田」まで39.3km。区間3は、「大山千枚田」から県道34号、県道182号の通称「もみじロード」を経て館山道「富津中央IC」までの26.1kmです。海岸線付近は平坦なルートが多いものの、房総半島の内陸側はアップダウンとワインディングの連続で、変化を楽しめるルートです。

ゆったりとしたハンドリングもシャープな走り方も楽しめるキャラクターで燃費も良い!

「XMAX」はゆったりとしたハンドリングとトルク感があるエンジンの組み合わせにより、上り区間では5000rpmあたりにあるトルクの豊かな回転域をCVTが逃さず使いこなすため、ここでもパワー不足は感じません。路面の悪い部分では少々バンピーな乗り心地になるのが気になるものの、ツアラーとして使っても申し分ない走りです。

 ワインディングではどっしり系とも思えたハンドリングですが、あえてクイックに寝かしこむと、それまでの印象から一転、スポーティな一面があることも確認出来ました。

 3区間総合で46.2km/lという結果は、以前テストをしたスズキ「バーグマン200」の平均40.3km/lを軽く超えてきました。エンジンのゆとりとミッション設定の合わせ技でしょう。正直、スゴイ!

充実感のある走り、かつ好燃費で満足度高し

 ヤマハ「XMAX」は、ガンガン走りたくなるようなスタイルから想像した乗り味とは違い、ゆったり里山ツーリングをしても充実感のある走りを楽しめました。それでこんなに好燃費ならなおさら。満足感高し、と言えるでしょう。

いつものツーリング想定の計測ルートを走り終え、ゴール地点の千葉県木更津エリアに到着

■ヤマハ「XMAX ABS」(2020年カラー)燃費結果
総合評価:☆☆☆☆★(ホシ4つ)
総走行距離:179.5km
総合燃費:38.5km/l
市街地:31.2km/l
高速道路平均:38.2km/l
快走路平均:46.2km/l