昨今、ガソリン価格が高騰していることが、ニュース等でも取り上げられていますが、ガソリン価格は、なぜ頻繁に変動するのでしょうか。また、過去と現在のガソリン価格はどれくらい違うのでしょうか。

ガソリンの元になる原油価格が直接の原因

 昨今、ガソリン価格が高騰していることが、ニュース等でも取り上げられていますが、ガソリン価格は、なぜ頻繁に変動するのでしょうか。また、過去と現在のガソリン価格はどれくらい違うのでしょうか。

ガソリン価格は、原油価格と為替レートが深く関係しています
ガソリン価格は、原油価格と為替レートが深く関係しています

 この数か月でガソリン価格が高騰しています。一時期はレギュラーガソリンがリッター当たり170円になり、さらに値上がりするのではないかと危惧されました。政府の石油備蓄放出などの対策により、2021年12月のレギュラーガソリンの平均価格は、リッター当たり161円となっています。

 急激な価格の変動に驚くかもしれませんが、ガソリンの値段が170円を超えた年も記録されているなど、ガソリン価格の変動は珍しいことではありません。

 過去のガソリン価格と比較すると、2018年はリッター当たり148円で、1988年は122円だったとされています。単純に数値だけで今の価格と比べると、20円〜40円以上の差があります。なぜこのように変動するのかといった理由には、原油価格と為替レートが深く関係しています。

油国が売り出す原油を、日本は輸入しています
油国が売り出す原油を、日本は輸入しています

 まず、バーレーンやイラク、サウジアラビアなどの産油国が売り出す原油を、日本は輸入します。実はこの価格の変動が、私たちがガソリンスタンドで目にする価格に直結しています。

 ガソリンのもとになっている原油価格の変化は、産油国の原油の生産量によって変化します。原油の生産量を減らしたり、原油を調達したいと思う人が増えた場合、需要が増すため価格は上がります。その原油価格の変化によって、ガソリンスタンドの小売価格を含めて、航空機用燃料や軽油、灯油、重油など、ほとんどの乗り物の燃料代が変化します。

 総務省統計局には、1966年〜2021年までのガソリン価格が掲載されています。掲載されたデータの始まりは1966年(昭和41年)です。当時の東京都のガソリンはリッター当たりの小売価格は50円で、1972年ごろまでは60円台でした。

 ところが、5年後の1977年には、第一次石油危機の影響により、ガソリン価格は2倍の120円台に高騰します。原油価格が変動する理由には、国際情勢も深く関係し、特に産油国の関係した地域紛争などが起きると、価格は急騰します。

 第一次石油危機の影響により、当時の国際原油価格は、一気に4倍になったとされます。当然ガソリン価格も上昇し、それまで60円台だったガソリンが、約2倍の120円台になりました。その後、徐々に価格は落ち着いていき、1979年2月には、ガソリン価格はリッター当たり100円台までに下がります。

OPEC(石油輸出国機構)
OPEC(石油輸出国機構)

 ところが、第二次石油危機の影響により、翌1980年に160円台にまで高騰した上に、1982年9月にはガソリン価格は177円になりました。これは、1978年にOPEC(石油輸出国機構)が段階的に原油の価格の値上げを行ったことと、翌1979年2月に起きたイラン革命や、翌1980年9月のイラン・イラク戦争が深く関係しています。

 しかし、約2年後にはガソリン価格は140円台になり、1986年ごろに、値段はさらに下がりました。昭和最後の1988年(昭和63年)では、ガソリン価格はリッター当たり122円となっています。そのまま価格は徐々に下降し、1999年(平成11年)5月にはリッター当たり97円を記録しました。

 2005年頃までは、価格に大きな変化はありませんでしたが、再び価格が上昇し、3年後の2008年には原油価格の高騰により、リッター当たり182円を記録します。リーマンショック中は右肩上がりになりましたが、その後一度100円台までガソリン価格は下がりました。

 また、2016年には110円台に下落し、2018年(平成30年)には148円となります。そして、年々価格は上昇していき、リッター当たり160円台という現在の価格になっています。

ガソリンの価格は年々上昇傾向
ガソリンの価格は年々上昇傾向

 現在のガソリン価格になった主な原因は、コロナの影響で止まっていた経済が一部動き出したということや、冬になり暖房などの燃料の需要が高まっていることや、為替レートが円安になっていることなどが挙げられます。

 本来であれば産油国は、需要が増すのを見越して原油の増産を行います。しかし、コロナの影響により、またいつ経済活動がストップするかがわかりません。そのため、原油量を増産することに関しては消極的とされています。

 つまり、最近のガソリン価格の高騰は、原油の需要が高まったにもかかわらず、産油国は原油の量を増やさず、価格が上昇しているためといえます。加えて円安の影響もあり、価格の上がった原油を、さらに割高で買うことになったためともいえそうです。

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 ガソリン価格の変動は、原料の原油の値段により変化し、原油の値段は産油国がどれだけ生産するか、どれだけ需要があるかで変化します。乗り物を運転するために、ガソリンはなくてはならないものです。今後のガソリン価格の変動からも、目が離せません。