ゼファー以来の400ccモデルに火の玉タンク搭載ですって!? バイクライターの青木タカオさんが、発売したばかりの「Z650RS 50th Anniversar」に乗り、興奮しつつ妄想しています。いったい、どういうことでしょうか。気になります。

垂涎の火の玉タンク

 惚れ惚れするではありませんか、カワサキ伝統の火の玉タンク。大人気で入手困難と聞きますが、これがいま新車で買えるチャンスがあるというのですから、千載一遇の機会といっても言い過ぎではないでしょう。

カワサキ伝統の火の玉タンクを纏ったZシリーズを新車で手に入れるチャンス到来
カワサキ伝統の火の玉タンクを纏ったZシリーズを新車で手に入れるチャンス到来

 1972年の『900スーパー4』通称“Z1”に始まり、翌73年の国内版「750RS」通称“Z2”にも採用した珠玉のファイヤーボールカラー。2009年に発売された『ゼファーχファイナルエディション』にも用いられ、ファン垂涎の車体色となっているのはバイクファンらにはよく知られています。

 2018年に登場した『Z900RS』で脚光を浴び、引っ張りだこの人気となったのは記憶に新しいところですが、“Z50周年”となる2022年、『Z900RS』と新登場したばかりの『Z650RS』に「50th Anniversary」限定モデルとして設定されました。

火の玉タンク仕様の「Z650RS 50th Anniversary」と筆者(青木タカオ)
火の玉タンク仕様の「Z650RS 50th Anniversary」と筆者(青木タカオ)

 4月28日に新発売されたばかりの『Z650RS』に乗りました。しかも、火の玉タンク仕様の「50th Anniversary」だから、興奮せずにはいられません!

Zは4発! 昔からあった熱き論争

 Z900RSやゼファーらを含め、歴代のZでは「フォーーン!」と4発ならではのサウンドを奏でていましたが、『Z650RS』は並列2気筒エンジンを心臓部とし、「トコトコトコ」っとパラレルツインらしい軽快な音がします。

 ルーツは1976年の『Z650』通称“ザッパー”で、やはりエンジンは4気筒。「Zは4発じゃなくちゃ」ですとか「ツインのZなど認めない」といった声を耳にしますが、よくよく考えれば、昔からこういった論争が起きていました。

Z750ツインに始まる2気筒ゼット!

 というのもカワサキは、ツインのZを70年代から発売していて、そうしたモデルたちもまた「Zは4発じゃなくちゃ」と叩かれたものです。

 ザッパーと同じ年にデビューした『Z750TWIN』も、まさにその名が示すとおり2気筒のZ。4気筒が人気を博す時代のなかで、2気筒を根強く支持するツイン派もいて、4発を主役にしつつもツインモデルがラインナップに存在していたのでした。

2気筒モデルの1971年式『W1SA』
2気筒モデルの1971年式『W1SA』

 コレを書いている筆者(青木タカオ)もカワサキのツインを30年近く所有します。『W1SA』(1971年式)ですから、時代がまったく異なりますが、2気筒派の気持ち、よーくわかるんです。

 そういえば、16歳のときに最初に買ったバイクが『GPZ250ベルトドライブ』で、これもまたパラツインでした。さらに単気筒の『Z200』や『Z250FS』などもありましたよね。

いいじゃないかツイン!

 ハナシはだいぶ脱線しましたが、最新型のカワサキ『Z650RS 50th Anniversary』に乗ると、3000〜6000rpmの常用回転域でピックアップに優れ、レッドゾーンまで山や谷のないフラットな特性で十分に力強いパラレルツインのコントロール性に舌を巻きます。

街乗りやワインディングでも緻密なスロットル操作にもレスポンスよく答えてくれるZ650RS
街乗りやワインディングでも緻密なスロットル操作にもレスポンスよく答えてくれるZ650RS

 180度クランクとバランサーシャフトの相乗効果によって、シルキーでスムーズなエンジン特性を実現。機敏すぎないまま、緻密なスロットル操作にもレスポンスよく答えてくれるから、街乗りやワインディング、ステージを問わずストレスを感じません。

 車体は身のこなしが軽く、わずか13.5kgのトレリスフレームと24度のキャスター角、Z650よりも小さくしたスイングアームの角度によってステアリングフィールもクセがなく軽快。幅広でフラットなハンドルバーによって、リラックスした乗車姿勢で操れます。

ベースは定評のあるZ650

 ベースとなったZ650も扱いやすさや俊敏性に定評がありましたが、『Z650RS』ではアッパートリプルクランプを20mm上げてることで、グリップ位置を50mm高く、30mm後方にセット。よりアップライトなライディングポジションで、フレンドリーなキャラクターを強調しています。

アップライトなライディングポジションは、フレンドリーなキャラクターを強調
アップライトなライディングポジションは、フレンドリーなキャラクターを強調

 35度のハンドル切れ角やブレーキ&クラッチレバーの調整機能も踏襲。アシスト&スリッパークラッチの採用によってレバー操作が軽いのも変わりません。

Z400があるってことは……!?

 大型バイクビギナーにもオススメなフレンドリーさに感心していると、「普通二輪免許で運転できるアンダー400ccモデルがあったらいいのに」などと考えてしまいます。

 むむむっ! ベース車両となった『Z650』には、同じように水冷4ストローク並列2気筒DOHC4バルブエンジンをトレリス構造のフレームでストレスメンバーとして利用する『Z400』という兄弟車が存在するではありませんか!!

 ならば『Z400』をベースにした『Z400RS』がつくれるのでは。もっといえば、70年代もカワサキは『400RS』を750RS(Z2)、650RS(W3)とともにロードスターシリーズとし、76年以降も『Z400』を並列2気筒エンジン搭載でラインナップしたのです。

ゼファーχファイナルエディションは、400ccの火の玉カラーだった
ゼファーχファイナルエディションは、400ccの火の玉カラーだった

 うぉー、こうして妄想してしまうと『Z400RS』の登場、期待せずにはいられません!! 『ゼファーχファイナルエディション』がそうだったように、400ccの火の玉カラーも夢ではないのです。