原付や原付二種などをはじめとした二輪車は、独自の交通ルールが定められている場合があります。クルマでは考えられないことではありますが、例えば同じ車線内をバイクが並列走行する行為は、違反にあたるのでしょうか。

バイクに関する法律を改めてチェック

 原付や原付二種など、バイクには独自の交通ルールが定められている場合がありますが、例えば、同じ車線内をバイクが並列走行する行為は、違反にあたるのでしょうか。

バイクの並列走行については、道路交通法上の禁止規定が明文化されていません
バイクの並列走行については、道路交通法上の禁止規定が明文化されていません

 バイクの並列走行を解説する前に、バイクが法律上どのように位置付けられているのかをおさらいしていきます。

 バイクに関する法律は、主なものとして道路交通法と道路運送車両法があり、それぞれエンジンの排気量により分類されています。このうち並列走行については、道路交通法で詳細が定められています。しかし、バイクの並列走行については、道路交通法上の禁止規定が明文化されていません。

 そもそも、道路交通法では車両等の分類を、歩行者・軽車両・原動機付自転車・自動車の4種類と定めています。このうち、バイクは排気量50ccまでは原動機付自転車に、50ccを超えるものは自動二輪車という呼称の自動車に分けられます。

軽二輪と混同しやすい軽車両は、主に自転車(電動アシスト自転車を含む)・人力車や馬車・リヤカーなどに限定されます
軽二輪と混同しやすい軽車両は、主に自転車(電動アシスト自転車を含む)・人力車や馬車・リヤカーなどに限定されます

 道路交通法でいう軽車両は、道路運送車両法上の軽二輪と混同しやすいかもしれませんが、具体的には自転車(電動アシスト自転車を含む)・人力車や馬車・リヤカーなどに限定されます。

 並走が禁止されているのはこの軽車両だけですが、原動機付自転車は軽車両にあたらないため、法律の条文で直接は禁止されていないことになります。

 では、実際の条文にはどのように記載されているのでしょうか。

 道路交通法第十九条には、「軽車両は、軽車両が並進することとなる場合においては、他の軽車両と並進してはならない」という規定があります。また、第六十八条でも、「二人以上の自動車又は原動機付自転車の運転者は、道路において二台以上の自動車又は原動機付自転車を(略)並進させる場合において、(略)著しく道路における交通の危険を生じさせ、又は著しく他人に迷惑を及ぼすこととなる行為をしてはならない」とされています。

 つまり、条文を読む限りでは、バイクの場合はあくまで他者に危険や迷惑をかけることは禁止されているだけであり、並列走行そのものが禁止されているわけではないということです。

追い越し時以外で2台のバイクが並んで走行することは安全を確保するためにも避けましょう
追い越し時以外で2台のバイクが並んで走行することは安全を確保するためにも避けましょう

 道路交通法第六十八条では「危険や迷惑をかける運転はいけない」と定められているだけなので、並列走行をしても構わないという解釈をする人も、いるかもしれません。しかし、法律で明確に禁止されていないからといって、並列走行に問題がないとは言い切れないでしょう。

 例えば、道路交通法第十七条第四項や第二十七条では、いわゆるキープレフトの原則が明文化されています。また、追い越しに関する規定は第二十八条に明記されており、追い越す場合は前車の右側を走行するように定められています。その際、第二十七条には「追い越される車両は加速してはいけない」と明記されています。

 これらの条文を総合的に解釈すると、追い越し時以外で2台のバイクが並んで走行する状況にはなりにくいため、バイクの並走自体は禁止されていないものの、道路交通法にしたがって運転する限り車両が並走することはありえない、と言い換えることもできるのです。また、安全性の面からも、バイクの並列走行は決して推奨される行為とはいえないので、緊急時以外に並列で走行するのは控えたほうが安心です。

※ ※ ※

 クルマの場合、片側一車線の道路での並列走行は物理的に不可能ですが、バイクは全幅が狭いため並走が可能です。加えて、道路交通法ではバイクの並列走行を直接禁止する条文がありません。そのため、とらえ方によっては「安全で周りに迷惑をかけなければ並列走行も構わない」という解釈ができるかもしれませんが、万が一のことを考えると並列で走行するのは非常に危険です。

 違反でないイコールやっても構わないというわけではないというのは、他の規定にも言えることです。バイクを安全に運転するためにも、並列走行は控えると良いでしょう。