ステアリングダンパーは、スポーツバイクや競技用バイクに多く採用されているパーツですが、いったいどのような効果があるのでしょうか。

「ステアリングダンパー」っていったい何?

 ステアリングダンパーというパーツは、スポーツバイクや競技用のバイクに多く採用されています。必ずしも必要なパーツという訳ではありませんが、高速道路での走行や長距離移動、サーキット走行などが多い人にはおすすめのパーツです。

 一体、どのような効果があるのでしょうか。

ステアリングダンパーが標準装備されているカワサキ「ZX-10R」
ステアリングダンパーが標準装備されているカワサキ「ZX-10R」

 ステアリングとはハンドルを含めた操舵装置のことで、ショックアブソーバーとも呼ばれるダンパーは、サスペンションの動きを制御するパーツです。

 サスペンションは、主にスプリングとダンパーを組み合わせて作られ、ダンパーはスプリング抜きのサスペンションというイメージ。つまりステアリングダンパーは、ステアリングのショックアブソーバー、緩衝装置ということになります。

 では、フロントサスペンションとステアリングダンパーの緩衝装置としての違いはどこにあるのかというと、サスペンションは縦の振動を緩和してくれるのに対し、ステアリングダンパーは横の振動を緩和。両方を搭載することで、バイクの全体的な振動を抑えることができるのです。

ホンダのMotoGPマシン「RC213V(2020)」
ホンダのMotoGPマシン「RC213V(2020)」

 とはいえ基本的に、ステアリングダンパーは後付けパーツ。しかし、なかにはホンダ「CBR1000RR」のように、標準装備されているバイクも存在します。

 ちなみに、CBR1000RRのステアリングダンパーは、MotoGPで採用された世界初の電子制御による油圧ステアリングダンパー「HESD」を、市販車用にフィードバックして搭載したもの。

 CBR1000RRはフラッグシップモデルなので、やはりステアリングダンパーは一般的なパーツではないといえます。

ステアリングダンパーが一般的に採用されない理由とは

 バイクの振動は疲労の原因となるため、少ないほど良いはずです。それにもかかわらず、ステアリングダンパーが標準装備されていないバイクが多いのは、なぜなのでしょうか。

 また、ステアリングダンパーを取り付けることで、どのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。

ステアリングダンパーが標準装備されているホンダ「CBR1000RR SP」
ステアリングダンパーが標準装備されているホンダ「CBR1000RR SP」

 まず、ステアリングダンパーを取り付けると、走行時の操舵性が安定するというメリットが挙げられます。

 これは横揺れが緩和されることにより、スピードを出してもハンドルのブレが少なくなり、コーナリングでもふらつきが軽減されるためです。一方、ハンドルの切り返しがしにくくなるというデメリットがあるのです。

 ステアリングダンパーのなかには、ダンパーの強度を調整できるものとできないものがあります。

 調整できるステアリングダンパーの場合は、強度を最大にするとハンドルが思うように切れなくなり、転倒をしてしまう恐れが高まります。また、ハンドルの切り返しがしにくいということは、低速走行でバランスを崩しやすくなることを意味することに加え、カーブでは小回りが利かず、予期せず大まわりになってしまい、車線をはみ出してしまう可能性も高まるのです。

 このようにメリットに対してデメリットも多いのが、ステアリングダンパーが一般的には採用されない理由といえるでしょう。