近年、ツーリングや旅行などの出先で、トンビなどの鳥類に食べ物を盗まれたという事例が多発しており、度々ニュースでも取り上げられています。一体なぜ、こういった事例が増えたのでしょうか。

トンビに食べ物を盗まれた!?その理由とは

 昨今、神奈川県の江の島周辺を中心とした湘南の海岸のほか、三浦半島の海沿いの地域などで、トンビなどの鳥類に食べ物を盗まれたという事例が多発しています。実際SNS上でも、「トンビに食べ物、奪われたことある」「頭上でトンビが旋回してるから、食べ物持って出歩くの怖い」などといった声が見受けられます。

ツーリングや旅行などの出先で、トンビなどの鳥類に食べ物を盗まれたという事例が多発中
ツーリングや旅行などの出先で、トンビなどの鳥類に食べ物を盗まれたという事例が多発中

 このような、トンビが人から食べ物を奪う行動は、この地域に住んでいる人にとっては特に珍しい光景ではないようですが、県外から観光で来る人のなかには、このようなトンビの行動を知らない人も少なくありません。

 春から夏にかけては特にトンビの数が増え、梅雨が明けるとツーリングのベストシーズンがやってきます。これからツーリングを計画している人は、被害に遭わないようトンビの習性や対処法を知っておくと安心です。

 そもそもトンビは、タカやワシと同じ仲間でトビとも呼ばれています。ほぼ全国に生息しており、日本では一番身近な猛禽類といえます。素人目では、タカやワシと見分けがつきにくいですが、「ピーヒョロロロ」と特徴的な鳴き方をするので声で判別することができます。また、人間の約8倍といわれるほど視力が非常にすぐれており、この抜群の視力で獲物を見つけ、上空から急降下して両足で獲物をとらえます。

ツーリングの休憩中、食べ物をトンビに狙われることがあります
ツーリングの休憩中、食べ物をトンビに狙われることがあります

 トンビは猛禽類ですが、ワシタカ類と異なり臆病な性格で、人を襲うことはほとんどありません。しかし、人が手に持った食べ物を見つけると、上空から奪い去っていく事例が増えています。

 食べ物なら何でも奪っていくようで、おにぎりや唐揚げ、ハンバーガーのほか、ソフトクリームも狙われやすく、カップのコーンを好んで食べるようです。また、食べ物ではありませんが、ぬいぐるみやスマートフォンなども奪われた事例があることから、人が手にしているものは食べ物と判断して奪っていくのかもしれません。

 では、なぜ警戒心の強いトンビが、人の食べ物を奪うようになったのでしょうか。

神奈川県江の島周辺のトンビ
神奈川県江の島周辺のトンビ

 人の食べ物を奪うようになったのは、江の島周辺のトンビがはじまりで、徐々に全国各地に広がったと言われています。首都圏からほど近い観光地の江の島は、海という立地上、観光客が外で食事をすることが多く、持参した食べ物をトンビに与えたことが原因だと考えられています。

 エサを与え続けられてきたトンビが、人に対して警戒心が薄れていったことで、次第に「人が手に持っているものはエサだ」と認識するようになりました。つまり、こうなってしまった原因は、人間の軽率な行動にあるといっても過言ではないのです。

 では、トンビに食べ物を狙われないためには、どんな点に注意すれば良いのでしょうか。

 まず、上空にいるトンビの動きに注意し、できるだけ視線を送りながら食べるようにします。なぜなら、トンビは人に見られていると警戒して降りてこないからです

 さらに、上空から見ているトンビに食べ物を見せないために、パラソルや日傘などを利用してトンビから見えないようにすることも重要です。しかし、上空にトンビがあまりにも多くいる場合は、外で食べるのはあきらめて屋内で食べるようにするのが一番安全といえます。

食べ物を直接見せなくてもコンビニの袋やバーガーショップの紙袋を狙われる場合もあります
食べ物を直接見せなくてもコンビニの袋やバーガーショップの紙袋を狙われる場合もあります

 また、トンビは非常に頭が良く、食べ物を直接見せなくてもコンビニの袋やバーガーショップの紙袋を狙われる場合もあります。袋に覆われていても、トンビは中に食べ物が入っていることを覚えているのです。そのため、万が一に備えて、丈夫なバッグなどに入れ替えて持ち歩いたほうが安全でしょう。

 このように、トンビが食べ物を狙う事例は増えていますが、習性や対処法を理解しておけば、狙われるリスクは格段に低くなります。これからのツーリングシーズンを楽しむためにも、覚えておきたいところです。

※ ※ ※

 海辺で食事をするときは、トンビの習性と対処法を知っておくことで食べ物を奪われるリスクを軽減できる可能性が高くなります。トンビの被害を増やさないためにも、安易に餌付けをしたり、食べ物を取られないように心掛けることが大切です。