クルマには、希望番号申込サービス(以下、希望ナンバー制)が存在しますが、この制度の対象には、バイクは含まれていません。いったい、なぜなのでしょうか。

希望ナンバー制…なぜバイクには存在しない?

 クルマには、自分の愛車のナンバープレートに好きな数字を付けることができる、いわゆる「希望番号申込サービス」が存在します。希望できる部分は、ナンバープレートの4ケタの大きな数字で1から9999の数字の中から自由に選ぶことができますが、地域名や分類番号、ひらがなやアルファベットの部分は選ぶことができません。

ご当地ナンバーはあっても希望ナンバーがないバイク
ご当地ナンバーはあっても希望ナンバーがないバイク

 誕生日や記念日など、自身の好きな数字にできるため、クルマ好きにとってはありがたい制度といえるかもしれません。しかし、この制度の対象には、バイクは含まれていません。いったい、なぜなのでしょうか。

 国土交通省の自動車局、自動車情報課の担当者は、以下のように話します。

「バイクの全国保有台数は、クルマに比べると10分の1にも満たないのが実情です。希望ナン バー制を導入するとなれば、それに応じて全国のナンバープレート交付施設などとシステム連携をしなければなりません。

 現在のバイクの保有台数では、システムや施設にかかる費用と手間の部分で有用性を示せず、制度を維持できないことが希望ナンバー制が導入されない要因として挙げられます」

バイクの全国保有台数は、クルマに比べると10分の1にも満たない(※ナンバーイメージ)
バイクの全国保有台数は、クルマに比べると10分の1にも満たない(※ナンバーイメージ)

 ちなみに、日本自動車工業会によると、2020年12月末現在、乗用車の保有台数は全国で6219万4255台となっています。

 これに対し、2020年3月末時点で、125cc以下の原付一種と原付二種を除いたバイクの保有台数は全国で367万6909台となっており、バイクはクルマに比べて圧倒的に保有台数が少ないのが現状です。

126cc以上250cc以下の軽二輪車の場合は分類番号があります
126cc以上250cc以下の軽二輪車の場合は分類番号があります

 また、バイクのナンバープレートの表示はクルマのものよりも簡略化されています。例えば、251cc以上の小型二輪車には分類番号がありません。126cc以上250cc以下の軽二輪車の場合は分類番号はあるものの、「1」または「2」の1ケタの番号で収まっています。

 このように、バイクのナンバープレートはクルマよりも、番号の組み合わせが少ないです。そのため、希望ナンバー制を導入すると抽選が多発してしまう恐れがあるのも、導入されない理由のひとつと言われています。

 では、「ナンバープレートの数字を増やせばよいのでは?」と思う人もいるかもしれません。しかし、希望ナンバー制を実施するには、膨大な導入コストと時間がかかるのです。

 仮に、数字を増やしてバイクにも希望ナンバー制を取り入れたとしても、ナンバープレートの交付手数料を上げなければならず、実施するのは現実的ではないようです。

 では、将来的にバイクの希望ナンバー制が実施される可能性はあるのでしょうか。それには、バイクの保有台数の増加がカギを握っているといえます。

減少が続く原付一種
減少が続く原付一種

 二輪車の販売台数は、50ccの原付一種だけが激減しており、それ以外の排気量区分の販売台数は大きく変わっていませんが、最盛期の10分の1まで減少しています。また、近年はコロナ禍で密を避けることができる移動手段として、バイクの需要が高まっており、2021年の1年間の二輪車の国内販売台数は、4年ぶりに前年の15%の増加に転じました。

 一方で、年々厳しさを増す二輪車の排ガス規制に加え、以前として解消されない二輪車の駐車場不足は、都市部を中心に大きな問題となっています。

電動バイクは、バイク台数増加に繋がるのか?
電動バイクは、バイク台数増加に繋がるのか?

 このように、バイク業界を取り巻く環境は厳しさを増すばかりであり、二輪車の販売・保有台数ともに、今後も減ることはあっても大幅に増えることはないと言えるかもしれません。そのため、現状では、バイクの希望ナンバー制が実施される可能性は限りなく低いといえそうです。

※ ※ ※

 現在、希望ナンバー制が導入されているのはクルマのみとなっています。今後、法改正やバイクの保有台数が大幅に増え、バイクにもナンバープレート希望制が導入されることを祈るばかりです。