電動キックボードで、人通りの多い歩道のど真ん中を走行している姿を見かけたり、飲酒運転での検挙事例が絶えないなど、電動キックボードの交通ルールが曖昧になっています。電動キックボードで公道を走行する場合、どの通行帯を走行するのが正解なのでしょうか。

知っておきたい道路の種類と交通ルール

 電動キックボードによる飲酒運転での検挙事例の増加など、電動キックボードの普及と比例するように、ユーザーの交通ルールの曖昧な認識が露呈しています。

 そもそも道路には、歩行者用の歩道や、自転車専用道路、クルマやバイクが走行する車道など、いくつかの種類があり、クルマは歩道や路側帯を「通行」することはできませんが、店舗や駐車場などに出入りするために「横切る」ことは可能など、細かい法律が定められています。

 ちなみに、クルマもバイクも原付バイク(原付一種)も、路側帯を「通行」してはいけない決まり。原付バイクは車道の左側を走行し、片側3車線以上の信号のある交差点で右折をする際は、二段階右折が義務付けられています。また、自転車も原則は車道の左側を走行しなければなりませんが、歩行者専用でなければ路側帯を通行することも可能です。

 では、電動キックボードはどの通行帯を走行するべき乗り物なのでしょうか。

電動キックボードで公道を走る様子
電動キックボードで公道を走る様子

 2022年4月19日に電動モビリティなどに関する法案が一部改正され、「特定小型原動機付自転車(以下、特定小型原付)」という車両区分が新たに作られました。それにより、最高速度が時速20km以下の電動キックボードはこの区分に含まれることになります。

 しかし、法改正が可決されたからといって、改正後の交通法がすぐに施行されるわけではありません。通行帯の整備など諸々の理由により、実際に施行されるまでには、おおよそ1年から2年ほどの時間を要するといわれています。

 そのため、2022年6月現在において、定格出力0.60kw以下の電動キックボードは原動機付自転車(原付一種)と同じ区分に該当し、交通ルールも原付バイクに準ずることになります。つまり、電動キックボードが通行して良い通行帯は「車道」であるほか、原則、原付バイクと同じように車道の左側を走行しなければなりません。

 加えて、片側3車線以上の車道で右折をする際は、二段階右折をする必要があります。

押し歩きや持って歩く場合は歩行者と同じ扱いとなる電動キックボード
押し歩きや持って歩く場合は歩行者と同じ扱いとなる電動キックボード

 また、原付バイクと同じく自転車専用道路や路側帯、歩道を走行してはいけませんが、横切ることは可能です。エンジンを切って押し歩いている状態であれば歩行者と同じ扱いになるため、歩道を歩いても問題はありません。

 ちなみに、高速道路や自動車専用道路は、道路運送車両法によって原付一種、二種ともに走行が禁止されています。電動キックボードは原付一種の道路運送車両法が適用されるため、もちろん高速道路の走行はできません。万が一、侵入した場合は、「通行禁止違反」に該当し、違反点数2点に加え5000円の反則金が科せられます。また、高速道路だけでなく、一般道路で違反した場合の罰則も、原付バイクと同様。

 例えば、道路交通法17条の1項において定められた通行区分である、車道以外の歩道や自転車専用道路等を走行するなどして違反した場合は、3か月以下の懲役または5万円以下の罰金が科せられるほか、違反点数は2点、反則金は6000円です。

電動キックボードで歩道を走ると違反
電動キックボードで歩道を走ると違反

 二段階右折を怠った場合は、道路交通法第34条1項から5項の交差点における通行方法などの違反である、「交差点右左折方法違反」に該当し、違反点数1点、3000円の反則金が科せられます。

 なお、昨今普及しつつある電動キックボードシェアリングサービスLUUPのモデルは、小型特殊自動車に区分されるため、車道に加え自転車専用通行帯(自転車レーン)と自転車道(サイクリングロード)の走行も可能なよう。小型特殊自動車の二段階右折は禁止されているため、二段階右折をすると違反となるなど、法改正によって、ますます交通ルールが複雑化されています。

 電動キックボードで公道を走る際は、交通ルールの講習なども実施されているので、乗る前に一度講習へ参加することをオススメします。

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 道路交通法の改正により近い将来、新たな区分の乗り物となる電動キックボードは、今まで以上に増加することが見込まれます。現在もシェアリングサービスが普及しつつあるなか自分自身の身を守るためにも、十分に交通ルールを理解して遵守することが大切です。