本国ではホンダ、ヤマハに次いで第3位の販売実績を誇るタイのバイクメーカーGPX。同メーカーの人気モデル「POPz110」に試乗しました。

唯一無二の存在だった「カブ」カテゴリに突如現れた新参者

 フルカウルのロードスポーツなら、ヤマハは「YZFシリーズ」、カワサキは「Ninjaシリーズ」、スズキは「GSXシリーズ」でホンダは「CBRシリーズ」というように、ひとつのカテゴリにおいてバイクメーカー各社から様々なラインナップが用意されていますが、スクーターでもなければ純粋なMTモデルのカテゴリにも属さない、4速ミッション搭載なのにAT免許で乗れてしまう不思議な存在のアンダーボーン型シティコミューター「カブ」だけは、ホンダ独自のカテゴリとなっています。

 利便性が高く、丈夫で走行性も高いなど、全方位でのコストパフォーマンスの高さが魅力の「カブ」カテゴリーに、他のメーカーも参入してくれたなら、デザインや価格など、選択肢の幅も広がって、さらに楽しめるのにと、考えている人も多いのではないでしょうか。

GPX「POPz110」と筆者(先川知香)
GPX「POPz110」と筆者(先川知香)

 そんな「カブ」カテゴリファンに朗報です。

 ここ数年で急成長を遂げた新興企業であるにもかかわらず、タイ本国ではホンダ、ヤマハに次いで第3位の販売実績を誇るGPXから、カブシリーズに対抗するモデル「POPz110」が登場。早速、試乗しました。

GPX「POPz110(バーミリオンオレンジ)」
GPX「POPz110(バーミリオンオレンジ)」

 バイクが人々の生活の足として浸透し、バイク大国とも呼ばれるタイを含めたアジア各国で人気の高いアンダーボーンフレームが採用されたPOPz110の魅力は、何といってもそのレトロなスタイルとビビットなカラーリングの組み合わせ。

 今回、私(筆者:先川知香)が試乗させて頂いた車両は目の覚めるような鮮やかな赤が目を引く「キャンディスレッド」。ほかにも、「ブリティッシュグリーン」や「バーミリオンオレンジ」、「ステインシルバー」や「キャビンスーパーブラック」など、個性的で明るいカラーがラインナップされています。

 デザインも一瞬、記憶のなかの「スーパーカブ」そのもののように感じてしまいますが、しっかり見るとまったくの別もの。丸目一灯のヘッドライトを中心に、何となく全体が柔らかな曲線で構成され、モダンで柔らかい印象にまとめられたスーパーカブより、スタイリッシュでシャープ。四角いヘッドライトが印象的で、「古き良き」というような少し角ばった昔懐かしのレトロなスクータースタイルを彷彿させるデザインです。

 また、ふたり乗りを快適にするロングシートが採用されている点も、バイク大国タイで誕生したモデルならでは。タンデムでの移動が快適な数少ない110㏄モデルというのも、特筆すべき特徴でしょう。

GPX「POPz110」の走りを楽しむ筆者(先川知香)
GPX「POPz110」の走りを楽しむ筆者(先川知香)

 そして走り。操作方法はスーパーカブと同様で、ロータリー式の4速ミッションが搭載されているためクラッチレバーはなく、左足のペダルでギアを上げ下げする方式。

 普段は一般的なMTモデルにしか乗ることがない私は、最初はかなりギクシャクしてしまいましたが、慣れるとかなり快適に走らせることができました。

 加速も110㏄と思えないほどパワフルで、日常の足としては十分な性能。試乗会場が、桶川スポーツランドというクローズドコースだったので、アクセルを全開にして少し走りを楽しんでみましたが、コンパクトな車体の取り回しやすさと相まって、スポーツ走行も過不足なく堪能することができ、フル加速からの急なハードブレーキにも、不安を感じることはありません。

 流石、スクーターレースやカブレースなど、モータースポーツの世界でもアンダーボーンフレームのバイクが活躍するタイで産まれたモデルといえる走行性能を体感することができました。

 そんなPOPz110の価格(消費税込)は26万4000円。スーパーカブ110が30万2500円なので、価格面でもリーズナブル。ホンダ独自のカテゴリとなっている「カブ」カテゴリの新たな選択肢として、チェックしてみてはいかがでしょうか。