昨今、環境への配慮などからEV、つまり電気自動車や電動バイクへの注目が高まり、ひと昔前よりも発売されている車種が増えてきました。電動バイクは、デザインも大きさも多種多様ですが、一般的なバイクとは異なり「排気量」が存在しません。では、どのように差別化されているのでしょうか。

電動バイクの区分はどのようになっている?

 通常のバイクはエンジンを搭載し、エンジンで発生させたパワーで駆動していますが、電動バイクの出力はモーターの動力で、車載のバッテリーから電源を取っています。また、電動バイクのバッテリーは一般家庭のコンセントから充電することが可能なモデルもあり、ガソリン代がかからない・夜間などに充電しておけるなどのメリットがあります。

3WAY電動バイク「COSWHEEL MIRAI S」
3WAY電動バイク「COSWHEEL MIRAI S」

 そして、エンジンを搭載する一般的なバイクの場合、排気量の大小により車両区分や運転に必要な免許などが異なります。しかし、前述の通り電動バイクにはエンジンを搭載していないため、排気量という概念が存在しません。では、「原付」や「大型」などと、どのように差別化されているのでしょうか。

 電動バイクは、道路運送車両法ではモーターの定格出力によって、以下のとおり区分されていますが、モーターの出力が最大出力でないところに注意が必要です。

原付一種電動スクーター「Segway B110S」
原付一種電動スクーター「Segway B110S」

 まず、排気量50cc以下に相当する原付一種の場合は定格出力0.6kW以下、排気量50cc超〜125cc以下に相当する原付二種は、定格出力が0.6kW超〜1.0kW以下となっています。

BMW Motorradの普通二輪電動スクーター「CE04」
BMW Motorradの普通二輪電動スクーター「CE04」

 そして、排気量125cc超〜400cc以下に相当する普通二輪だと、定格出力1.0kW超〜20kW以下、排気量400cc超にあたる大型二輪は、定格出力20kW超と区分されているのです。

 それぞれの運転に必要な免許も、エンジン搭載のバイクと同じ区分となっており、原付一種は原付免許、原付二種は小型限定普通二輪免許、普通二輪車は普通二輪免許、大型二輪車では大型二輪免許が必要です。

 従来、普通二輪免許で運転できる電動バイクの定格出力は上限がなく、どんなハイパワーの電動バイクでも運転可能でした。

 しかし、電動バイクの高性能化に対応するため、2019年12月に施行された改正道路交通法により、定格出力20kW超の電動バイクは、大型二輪車に区分されるようになりました。20kWを超える電動バイクを運転するためには、大型二輪免許が必須となったのです。

電動キックボードは、バイクと若干取り扱いが異なります
電動キックボードは、バイクと若干取り扱いが異なります

 また、近年注目を集めている電動キックボードも広義でいう電動バイクにあたりますが、通常のバイクとは若干取り扱いが異なります。

 従来は、0.6kW未満であれば、一律にヘルメット着用や免許取得が義務付けられていたものが、改正道路交通法の法案成立により、「特定小型原付」という新しい区分で取り扱われることになりました。

 電動・最高速度20km/h以下・保安部品の装着などの条件を満たす特定小型原付に乗る際は、16歳以上であれば免許が不要・ヘルメット着用が任意であるなど、より緩い条件となります。

 実際の法施行は先の話になりますが、電動キックボードを含めた多様なモビリティに対応するための改正内容です。しかし、原付に相当するモデルは従来どおりの扱いとなるため、どのモデルが特定小型原付に該当するのか、事前に確認しておく必要がありそうです。

 また、電動バイクの普及が進む中、バイクメーカーやベンチャー企業などさまざまな企業から、多彩なジャンルの電動バイクが続々と登場しています。

 では、2022年7月現在、どのような電動バイクが販売されているのでしょうか。

ホンダの原付二種電動スクーター「PCXエレクトリック(生産終了モデル)」
ホンダの原付二種電動スクーター「PCXエレクトリック(生産終了モデル)」

 国産バイクメーカーのモデルでいうと、原付一種であるヤマハ「E-Vino」のほか、原付二種のホンダ「PCXエレクトリック(生産終了モデル)」などが有名かもしれません。また、ライブワイヤーやBMWなど、海外のバイクメーカーも電動モデルを発売しています。

 ちなみに、電動バイクはバイクメーカーだけでなく、原付一種や原付二種のモデルを中心として、電動バイク専門のブランドからも発売されています。国内ブランドはもちろん、MotoEクラスのバイクを提供しているイタリアのエネルジカといったブランドでもラインナップされており、電動バイクの選択肢は増え続けているようです。

エネルジカのマシンを駆りMotoEクラスに参戦する大久保ひかる選手
エネルジカのマシンを駆りMotoEクラスに参戦する大久保ひかる選手

 新興メーカーから発売される電動バイクは、バイクの概念にとらわれないユニークなデザインのものが多くみられます。特に、折りたたみ式のモデルや軽量のモデルは車載することも容易で、ドライブ先のちょっとしたアシ代わりとしても便利に使えそうです。

 東京モーターサイクルショーをはじめとしたイベントでも、続々と電動バイクの新モデルやコンセプトモデルが登場しており、電動バイクの将来性は無限大と言えるかもしれません。

※ ※ ※

 電動バイクには排気量がないため、どうやって区分されているのか知らない人もいるかもしれませんが、モーターの定格出力によって、道路運送車両法できちんと区分されているのです。

 環境面だけでなく、エンジンを搭載しない電動バイクは開発の自由度も高いため、専門メーカーを中心に個性豊かなデザインのモデルが、続々と市場に登場しています。道路交通法や道路運送車両法といったバイクに関する法律も、時代の変化に応じて改正されていますが、今後さらに電動バイクへのアプローチが進む可能性もありそうです。