弁護士ドットコム株式会社は、弁護士ドットコムの一般会員1380名を対象に、電動キックボードに関する実態・意識調査を行いました。どのような結果となったのでしょうか。

普及が進む電動キックボードに対する認識の現状

 弁護士ドットコム株式会社は、弁護士ドットコムの一般会員1380名を対象に、電動キックボードに関する実態・意識調査を行いました。

弁護士ドットコム株式会社が行った電動キックボードに関する実態・意識調査
弁護士ドットコム株式会社が行った電動キックボードに関する実態・意識調査

 シェアリングサービスなどにより昨今では都市部を中心に利用が進んでいる電動キックボードは、気軽に使用でき小回りも利くことから人気が高まっていますが、一方で飲酒運転の横行など交通ルールが守られていないという問題も指摘されており、警察の取り締まりも強化されています。

 また、最高速度が時速20キロ以下の電動キックボードについては、16歳以上は運転免許がなくても乗れるとする改正道路交通法が成立し、2年以内に施行される予定ですが、今回行われたアンケートでは電動キックボードの存在についてや利用の有無、電動キックボードの飲酒運転禁止について調査。以下のような結果となっています。

■ 調査概要
調査方法:弁護士ドットコム一般会員を対象にアンケートを実施
調査対象:有効回答数 1,380名(1都3県の在住者が49.3%)
調査期間:2022年6月15日〜6月21日
※対象は、シェア型電動キックボード(政府の特例措置により、道路交通法上の小型特殊自動車にあたるもの)と個人所有の電動キックボード(道交法並びに道路運送車両法上の原動機付自転車にあたるもの)どちらも含む

■電動キックボード、「知っている」9割、「乗ったことある」1割
電動キックボードを知っているか尋ねたところ、回答者の9割以上が「知っている」と回答。一方、乗ったことがあるか尋ねたところ、答えたのは11%と全体の1割程度に。

■「危険を感じた瞬間ある」利用者の6割、利用者以外からも懸念の声「車を運転する側からみると怖い」
電動キックボードに乗ったことがある人に、電動キックボードを運転していて危険を感じた瞬間があるか尋ねたところ、6割が「危険を感じた瞬間がある」と回答。

 具体的にどのような場面で危険を感じたか尋ねたところ、「歩行者や自転車、車などと接触しそうになった」「思った以上にスピードが出るものの、段差や隙間の影響を強く受けるため転倒しそうになる」、「急ブレーキでバランスが保てなくなる」といった意見も。

■未利用者の3割強「今後利用してみたい」
電動キックボードを利用したことがないと回答した人のうち、今後電動キックボードを利用したいと思うかを聞いたところ、「いいえ」が49.6%と半数近くにのぼり、「はい」が34.3%に。

「利用したい」と回答した理由を尋ねたところ(複数回答可)、最も多かったのは「小回りが効いて便利そう」(68.9%)、次いで「乗っていて気持ちが良さそう」(55.3%)、「疲れなさそう」(33.5%)、「新しいツールが好きだから」(32.1%)と続いています。

 また、「利用したくない」と回答した理由を尋ねたところ(複数回答可)、最も多かったのは「危ないから」(71.4%)、次いで「そのほかの乗り物で事足りるから」(63.8%)、「使い方やルールが分からないから」(20.7%)、「恥ずかしいから」(14.8%)と続きました。

■回答者の約4割「飲酒運転禁止知らなかった」
電動キックボードでの飲酒運転が禁止されていることを知っているか尋ねたところ、回答者の4割弱が「知らない」と回答。電動キックボードの利用者に限って同じ質問をしても、23.5%が「知らない」と回答しており、交通ルールの周知徹底が課題となっているようです。

 アンケート結果の公開に伴い、交通事故事件にくわしい平岡将人弁護士は次のようにコメントしています。

■平岡将人弁護士
「道路交通法の改正によって、最高時速が20キロメートル以下の電動キックボードを「特定小型原付自転車」との新たな区分に分類し、16歳以上であれば免許なく乗車ができ、時速6キロメートル以下なら歩道の通行も可能となります。人力や動物の力によって動くものではないため、軽車両には分類できなかったものの、自転車に近い気軽な乗り物として許可していくということでしょう。

 今回のアンケートの結果を見ると、「飲酒運転が禁止」を知らない人が多いことに驚きました。飲酒をしたら、自動車はもとより、自転車も電動キックボードもダメです。また、電動キックボードに乗ったことがあり「危険を感じた瞬間がある」と回答した人の「急停止が難しい」というコメントは気になります。そのような性質をもつ乗り物であるならば、見通しの悪い交差路などの前では速度を落とすなど、急停止をなるべくしない運転スキルが求められることになるでしょう。

 日々、交通事故の事件を手掛ける中で思うのは、利便性や技術革新のために、国家が新しい移動手段を許可するということは、新しい「危険」を許可するのと同じだということです。電動キックボードが街中を走れば、それに起因する事故は必ず起きます。ゼロにするのは難しいでしょう。そうであれば、必ず起きる事故に着目した制度設計(賠償確保、公道の安全を保護する諸制度等)をきちんとするのが国家の義務だと考えています」。