アドベンチャー要素を取り入れたオンロードツアラーとして2020年に登場した、BMW Motorradのアドベンチャースポーツ「BMW F900XR」に試乗しました。

アドベンチャーモデルの取り回しへの不安を払拭

 アドベンチャー要素を取り入れたオンロードツアラー、つまりオンロードとオフロードの中間的立ち位置のクロスオーバーモデルとして、2020年に登場したBMW Motorradのアドベンチャースポーツ「F900XR」に試乗しました。

BMW「F900XR」と筆者(先川知香)
BMW「F900XR」と筆者(先川知香)

 私(先川知香)にとって、純粋に走りを楽しめるバイクの条件といえば、やはり足つきが最重要事項。

 どんなに取り回しに自信があったとしても、やはり足つきが悪いと、街中での頻繁な信号待ちなど、停車するたび過剰なレベルで細心の注意を払わなければなりません。そのため、イメージ的に車高が高い大排気量のアドベンチャーモデルには、苦手意識がありました。

 しかもF900XRをラインナップするBMWは、ドイツのメーカー。大柄なヨーロッパ人に合わせたアドベンチャーモデルの足つきがいい訳がありません。

 実車を目の前にしてもそのイメージは変わらず、明らかにストロークの長いフロントサスペンションや分厚くデザインされたタンク周りの迫力など、その威風堂々としたスタイルに、自分でも扱えるのかと少し不安になりました。

BMW「F900XR」の足つき(身長165㎝)
BMW「F900XR」の足つき(身長165㎝)

 しかし、実際に跨ってみると意外にスマート。足つきも想像したよりは良好で、身長165㎝の私で両足のつま先をしっかりと地面に付くことができました。

 しかも、ライディング姿勢がかなり楽。アドベンチャー要素が強いスタイリングも相まって、ストンと楽に座ったままの自然体で乗ることができるので、長距離移動も疲労感を感じにくいと思います。

 そして、驚いたのがその取り回しのよさ。試乗コースが駐車場にパイロンで作られた特設コースだったのですが、少しタイトなUターンも思い通りのラインで曲がることができました。

BMW「F900XR」の走りを楽しむ筆者(先川知香)
BMW「F900XR」の走りを楽しむ筆者(先川知香)

 エンジンもパワフルな一方で、回転数の上昇は緩やか。同時に乗った他メーカーの同クラスモデルたちよりギアチェンジのタイミングがゆったりとしていて、すべての操作にワンテンポ余裕ができるような不思議な感覚が、こんな狭い場所では本領を発揮しきれないというような、ポテンシャルの高さを感じさせてくれました。

 よく「ロングツーリングには、大型のアドベンチャーモデルが楽でいいよ」といわれますが、私はいつもその意見に対し「高速道路は楽でも、下道に降りた時の細かい取り回しが大変ジャン・・・」と感じてしまいます。しかし、そんな大型アドベンチャーモデルに持つ私の不安を、F900XRは払拭してくれました。

 気軽に乗れてパワフルで取り回しも楽々と、ロングツーリングをメインにバイクライフを楽しむ初心者に、特にオススメしたいモデルです。

BMW「F900XR」は初心者にもオススメできる大型アドベンチャーモデル
BMW「F900XR」は初心者にもオススメできる大型アドベンチャーモデル

 さらにF900XRの特筆すべきポイントは、コストパフォーマンス。

 クイックシフターにグリップヒーター、クルーズコントロールやスマートキーなどの快適装備が付いて、価格(消費税込)は118万1000円と、BMW Motorradのラインナップとは思えない驚きの価格設定。

 BMWに憧れていたけど価格がネックという人にも。ぜひ乗ってみてもらいたい1台です。