取得すれば原付二種を運転することができる「小型限定普通二輪免許(以下、原付二種免許)」は、ひと昔前よりもかなり取得しやすくなったといいます。これには、いったいどういった要因がかかわっているのでしょうか。

原付二種免許、なぜ取得しやすくなった?

 原付二種とは、排気量が51cc以上125cc以下のクラス、あるいは、モーターの定格出力0.6kW以上から1.0kW以下のバイクを指します。ナンバープレートは排気量ごとに色分けされており、51ccから90ccまでは黄色、91ccから125ccまではピンク色と定められています。

91ccから125ccまでの原付二種のナンバープレート色はピンク
91ccから125ccまでの原付二種のナンバープレート色はピンク

 例えば、原付特有の「二段階右折」、「速度制限30km/h」、「2人乗りの禁止」などの交通ルールは原付二種には適用されず、普通自動二輪車と同様の交通ルールで走行できます。

 注意点としては、高速道路や一部有料道路は走ることが禁止されているため、間違えて侵入しないように気をつけることが挙げられます。ただ、車体が比較的軽いので取り回しやすく、小回りも利くので、下道を走る場合は申し分ないバイクだと言えそうです。また、ファミリーバイク特約に加入できるというメリットがあるため、クルマを所有している人からも原付二種は選ばれやすい傾向があります。

原付二種は高速道路や有料道路は走ることが禁止されています
原付二種は高速道路や有料道路は走ることが禁止されています

 加えて、免許を取得しやすくなったことも、原付二種の人気をけん引している理由のひとつだと言えるでしょう。原付二種を運転可能な免許には、「小型限定普通二輪免許」と「AT小型限定普通二輪免許」の2種類がありますが、どちらも普通自動二輪免許より短期間で取得可能である点からも、需要のある免許です。

 このように、さまざまなメリットのある原付二種ですが、以前よりもかなり取得しやすくなりました。これには、いったいどういった要因なのでしょうか。

原付二種免許を取得するには、免許転免許試験場で直接受験する一発試験または、教習所で学科や技能教習を受講し卒業検定に合格後、試験場で学科試験を受ける方法があります
原付二種免許を取得するには、免許転免許試験場で直接受験する一発試験または、教習所で学科や技能教習を受講し卒業検定に合格後、試験場で学科試験を受ける方法があります

 そもそも、原付二種免許の取得方法は2種類あります。運転免許試験場で直接受験する一発試験と、教習所で学科や技能教習を受講し、卒業検定に合格後、試験場で学科試験を受ける方法です。

 一発試験は、手っ取り早く免許が取れることから挑戦する人も少なくありません。しかし、試験の難易度の高さから、現実的に一発で合格できる人はわずかなものです。そのため、教習所に通って免許を取得する流れのほうが、確実かつオーソドックスな方法だと言えそうです。しかし、堅実的な方法ではあるのですが、難易度が低いほうだと言われているAT限定免許を取得する場合でも、最低3日教習所へ通わなければならない点が、免許取得を目指す人にとっての障害となっていました。

 しかし、2018年7月に道路交通法施行規則が改正されたため、この障害は解消されて、より原付二種免許が取りやすくなりました。これは、改正内容のひとつである、1日に受けられる教習時間が3時間から4時間へと変更されたことが要因です。AT限定免許を取得する場合は、最低8時間の技能教習を受講しなければなりませんが、改正前はこれを3日かけないと受講できない決まりでした。

教習所でAT小型限定普通二輪免許を取得するには、最低8時間の技能教習を受講しなければなりません
教習所でAT小型限定普通二輪免許を取得するには、最低8時間の技能教習を受講しなければなりません

 しかし、法改正により、最短2日で技能教習は終了できるようになったことにより、土日を利用して免許を取得する方法が可能となりました。注意点としては、技能教習と卒業検定を同じ日に完了できるようなカリキュラムを組むようにしなければ、最短2日で免許取得はできない点が挙げられます。

 また、小型限定二輪免許の場合は、クルマの免許を持っている人なら技能教習は10時間、免許を持っていない人の場合は技能教習12時間に加え、学科教習も26時間受講しなければなりません。

 ちなみに、免許を取得するための費用は、クルマの免許を所持している場合は8万円〜12万円、免許を持っていない場合は、15万円〜20万円程が相場になります。AT限定免許なら約1〜2万円安く取得することが可能です。

 例えば、クルマの免許を持っているが、原付以上のバイクの免許をできるだけ簡単かつ費用を抑えて取得したいという人には、このAT限定免許がぴったりの条件だと言えるかもしれません。

日本市場でも人気の原付二種スクーター
日本市場でも人気の原付二種スクーター

 この法改正の背景には、日本のバイク事情が反映されています。近年、バイクの売上台数自体は減少傾向にある中でも、原付二種以上のバイクは販売台数が伸びている傾向があります。バイク業界としても、世界的に需要の高い原付二種の製造販売に力を入れたいという思惑があるのです。

 日本市場でも原付二種の人気を高めることは、日本のバイク業界の存続するための手段のひとつだとも言えるでしょう。

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 近年は、コロナの影響から、三密を避けられるバイクに注目が集まっています。電車通勤からバイク出勤に切り替えたいけれど、バイクの免許を持っていないという人もいますが、そういう人にとって、最短2日で取得可能なAT限定免許はありがたい存在だと言えそうです。

 原付より自由度が高く、普通自動二輪より維持費が安いことなど、バイクの中でも原付二種はさまざまなメリットがあります。バイクの免許を所持していない人は、まずは原付二種にトライしてみるのも良いかもしれません。