2022年型ホンダ「スーパーカブ110」と「クロスカブ110」の燃費性能を知るべく、新たに装備された平均燃費計やトリップを使って実走燃費を計測しました。果たして!?

平均燃費計の搭載で明確に、数値化できた燃費の良さ

 2022年の新作「スーパーカブ110」と「クロスカブ110」は、燃費性能を向上させた新型エンジンの搭載に加え、メーター内に液晶モニターを備え、従来モデルでは無かった、トリップメーター、時計、そして平均燃費計を備えています。

実際の燃費はどうなのか? ホンダ新型「スーパーカブ110」と「クロスカブ110」を検証する筆者(松井勉)
実際の燃費はどうなのか? ホンダ新型「スーパーカブ110」と「クロスカブ110」を検証する筆者(松井勉)

 過去に「スーパーカブ110の燃費を計ってみたい!」と、先代に乗って都内から箱根、芦ノ湖畔を往復した結果、62.3km/lという結果を得ています。

 当時は走った距離を給油したガソリンの量で割り出す、いわゆる「満タン法」での燃費計測しか方法がなく、燃費が良くてなかなかガソリンが減らない「スーパーカブ110」は、ひたすら長い時間走るほか実験する方法がありませんでした。

 それが新型にはトリップメーターや平均燃費計が装備されたので、the「燃費」で計測するいつもの市街地ルートでの計測も可能。お尻の痛みと闘いながら長距離長時間を走る必要が無くなったのです。ああ、嬉しい!

新型となって2機種ともメーター内にギアポジションやトリップメーター、時計、そして平均燃費計の液晶表示が追加装備された。写真は「クロスカブ110」
新型となって2機種ともメーター内にギアポジションやトリップメーター、時計、そして平均燃費計の液晶表示が追加装備された。写真は「クロスカブ110」

 そこで、市街地ルートを始め、今回のオリジナルとして気の向くままに新型2台を走らせ、それぞれの燃費がどうなのか? 差はあるのか? など、実力をじっくり計ってみました。

 ちなみに、新型「スーパーカブ110」のカタログ燃費データは、60km/h定地燃費値(2人乗り)が68km/lで、新型「クロスカブ110」は67km/lです。WMTCモード値(クラス1)ではいずれも67.9 km/lと同じです。

 車両的な違いとしては、サスペンション、ヘッドライトまわり等が異なり、車重は「クロスカブ110」の方が6kg重たい107kgとなっています。

2022年型のホンダ「クロスカブ110」(左)と「スーパーカブ110」(右)
2022年型のホンダ「クロスカブ110」(左)と「スーパーカブ110」(右)

 ファイナルレシオも「スーパーカブ110」が2.500で、「クロスカブ110」は2.642と、よりローギアードな設定となっています。山岳路の走行を想定をした「クロスカブ110」のカタログ燃費が「スーパーカブ110」に一歩譲るのは、そんなところからなのでしょう。

意外と差が出た、市街地燃費

 the「燃費」市街地ルートは、都内外苑周辺を出発。ホンダ青山本社のある青山一丁目交差点から赤坂、皇居方向に国道246号を走り、丸の内のオフィス街を経由して銀座、築地、晴海、豊洲を抜け、首都高湾岸線沿いに走る国道357号の東雲付近までを走ります。

実際の燃費はどうなのか? ホンダ「スーパーカブ110」(2022年型)を走らせる筆者(松井勉)
実際の燃費はどうなのか? ホンダ「スーパーカブ110」(2022年型)を走らせる筆者(松井勉)

 ルートのほとんどが片側3車線の広い道であり、信号も多く赤信号で止まるか青信号で通過するかによっても燃費データは変わってきます。

 また、搭載するエンジンが同じでも、「クロスカブ110」の方が発進加速が良く、そのかわり60km/hで走行すると、エンジンの回転数が高いのが解ります。

 このルートでは青信号が続くと50〜60km/hでの巡航距離が長く、信号のタイミングの差が燃費に影響するのは明らか。別日に取材をしているので、同じルートながら同一条件ではないことも、結果に関係していると思います。

【市街地燃費の結果】(走行距離)
新型「スーパーカブ110」 73km/l(12.4km)
新型「クロスカブ110」 65.6km/l(12.5km)

 市街地では「スーパーカブ110」が好結果を残しています。ちなみに、その市街地燃費を計測した帰り道、別の道で戻ってみると、距離11kmを走行して68.5km/lでした。信号待ちの時間が長く、アイドリング時間が多かった印象です。

追い風と向かい風で、燃費は変わる! のか?

 市街地燃費で差が出た「クロスカブ110」ですが、燃費計測が終わった東雲付近から、そのまま国道357号を東に30kmほど走り、Uターンして戻ってみました。

実際の燃費はどうなのか? ホンダ「クロスカブ110」(2022年型)を走らせる筆者(松井勉)
実際の燃費はどうなのか? ホンダ「クロスカブ110」(2022年型)を走らせる筆者(松井勉)

 というのも、湾岸線沿いに走るこの国道は信号が少なく、高速道路のような高架が続く場面もあり、60km/hで一定時間巡航出来る場面が続きます。往路は追い風、復路は向かい風でした。燃費は風の影響を受けるのか? という実験です。

【風向き燃費の結果】
追い風 80.7km/l
向かい風 71.8km/l

 アクセルをさほど開けなくてもラクラクと60km/h巡航を保てた往路に対し、復路は押し戻されまいとアクセルを開けた結果の差が出ました。小排気量エンジンは気象条件でも燃費に響く結果です。

原付ツーリング、2台の燃費はどこまで伸びる?

 後日、都内から横浜方面へと足を伸ばし、郊外ツーリングをシミュレーションしてみました。新型の両車は、ディスクブレーキ、キャストホイールを装備し、先代よりも転がり抵抗が少なく走りも上質です。エンジンは静かだし、振動も低減した印象で、どこか「スーパーカブC125」や「CT125・ハンターカブ」が持つ良いモノ感まで備えたようです。

東京都内から横浜市、みなとみらい周辺へ原付ツーリング
東京都内から横浜市、みなとみらい周辺へ原付ツーリング

 都内外苑周辺から外苑西通り、明治通り、魚籃坂を経由して国道15号で横浜市へ。みなとみらい周辺や横浜散策をしたときの燃費です。

【市街地ツーリング燃費の結果】(走行距離)
新型「スーパーカブ110」 73.6km/l(45km)
新型「クロスカブ110」 68.7km/l(41.3km)

「クロスカブ110」は平日に、「スーパーカブ110」は休日に出かけたもの。距離の違いはありますが、同様の場所で燃費ログをとっています。凄いのは、両車ともWMTCモード値も定地燃費値も、カタログ燃費値を超えていることです。

「スーパーカブ110」の燃費傾向を、さらに探求する

 新型「スーパカーブ110」で、ツーリング燃費の計測をさらに伸ばすことにしました。横浜市までの結果よりも伸びるのか? あるいは落ちるのか? を検証します。

横浜市から逗子市へ、さらに距離を走って燃費を検証する。遠くに江の島を臨む
横浜市から逗子市へ、さらに距離を走って燃費を検証する。遠くに江の島を臨む

 東京湾に面する横浜市から、相模湾に面する逗子市へ向かいます。国道357号を通り、杉田から釜利谷を経由して横浜横須賀道路「朝比奈IC」付近へ。そこから朝比奈峠を越え、逗子市にアプローチしました。

 帰り道もほぼ同様のルートで、巡航時間が長い国道357号を走ったこともあり、好燃費となりました。

【続・市街地ツーリング燃費の結果】(走行距離)
横浜市まで 73.6km/l(45km)
逗子市まで 73.9 km/l(74.5km)
東京帰着 77.1km/l(143.8km)

逗子市の小さな漁港、おしゃれなマリーナ付近までやってきた。道中の峠区間では燃費が降下
逗子市の小さな漁港、おしゃれなマリーナ付近までやってきた。道中の峠区間では燃費が降下

 逗子市までは横浜市までと同等ですが、途中76km/l台で走行していたところ、杉田から釜利谷への高台への登り区間、逗子市に抜ける峠区間などで燃費が降下。帰路も山岳区間では燃費が落ちました。国道357号や国道15号での巡航で盛り返し、77.1km/lまで伸びています。

 この日、ガソリンスタンドで満タンスタートし、戻ったところで再び同じガソリンスタンドで満タンにしてみました。給油量は2リットル。この計算でいくと71.9km/lですが、平均燃費計が示す77.1km/lとの給油量の違いは、わずかに135ccです。最後のひと握りで少なくとも100ccは出ているので、判別がつきません。

 もし満タン法で「厳格に!」計測するとなれば、入れ過ぎていたのではないか。それが平均燃費計よりも満タン法計測のほうが大抵辛口になる理由もあるように思います。

新型となった「スーパーカブ110」と「クロスカブ110」は燃費も良く、上質な走りも感じさせてくれる、走り出せば旅気分も味わえる小さなアドベンチャーバイクだった
新型となった「スーパーカブ110」と「クロスカブ110」は燃費も良く、上質な走りも感じさせてくれる、走り出せば旅気分も味わえる小さなアドベンチャーバイクだった

 今のバイクはキャニスターも備えているので、ガソリンをタンクに入れ過ぎるとそちらに回ってエンジンが不調になる場合もあるそうなので、給油量はホドホドに、が吉のようです。

 いずれにしても、新型の「スーパーカブ110」と「クロスカブ110」の燃費は文句なし。総合評価は最高ランクの星(ホシ)5つです。