クルマの場合、初心者は若葉マークを、高齢者が運転する場合はシルバーマークを車両につけなければいけませんが、バイクにはその義務がありません。いったい、なぜなのでしょうか。

バイク初心者や高齢者は、若葉・シルバーマークをつけなくても良い…いったいなぜ?

 見た目や用途から「初心者マーク」とも呼ばれる若葉マークは、正式名称を「初心者運転標識」といいます。また、準中型自動車免許及び普通自動車免許を取得してから1年未満のドライバーがクルマを運転する際に、表示する義務があります。

「初心者マーク」は、準中型自動車免許及び普通自動車免許を取得してから1年未満のドライバーがクルマを運転する際に表示する義務があります
「初心者マーク」は、準中型自動車免許及び普通自動車免許を取得してから1年未満のドライバーがクルマを運転する際に表示する義務があります

 ちなみに、免許取得後1年以降は表示する義務はありませんが、1年以上経っていても、若葉マークを表示する行為は違反にはなりません。

 一方のシルバーマークは、正式名称を「高齢運転者標識」といい、当初は水滴のような輪郭の中を左側はオレンジ色、右側は黄色に塗り分けたデザインでした。しかし、「枯れ葉マーク」「落ち葉マーク」など俗称の印象の悪さから、2011年2月1日に、現在は四つ葉のクローバーをモチーフにしたデザインに変更されました。

 このマークは、70歳以上の高齢ドライバーは運転するクルマの前後、地上0.4〜1.2m以内の高さの見やすい位置に表示する「努力義務」があります。なお、若葉マークと違い、現在は表示義務がありません。

70歳以上の高齢ドライバーが運転する際には、シルバーマークを表示する「努力義務」があります
70歳以上の高齢ドライバーが運転する際には、シルバーマークを表示する「努力義務」があります

 若葉マークもシルバーマークも、表示することは周囲のドライバーへの注意喚起に繋がります。具体的には、道路交通法第71条の5第4項において、初心運転者等保護義務違反が定められています。これは、若葉マークなどを提示しているクルマに対して、幅寄せや十分な車間距離が取れなくなるような進路変更を禁止する法律です。違反した場合は点数1点と、反則金6000円が課せられます。

 このようにクルマの場合、初心者は若葉マークを、高齢者が運転する場合はシルバーマークを車両につけなければいけませんが、バイクにはその義務がありません。いったい、なぜなのでしょうか。

バイクについては若葉マークの表示義務がありません
バイクについては若葉マークの表示義務がありません

 前述した道路交通法第71条の5第1項並びに第2項は、準中型自動車と普通自動車に対して若葉マークの表示義務が明記されていますが、バイクについては言及されていません。そのため、免許取得後1年未満のライダーがバイクに乗る際に初心者マークを表示する義務はありません。シルバーマークはもともと努力義務なので、同じくバイクへの表示義務はないということです。

 そもそも、バイクの形状的に若葉マークやシルバーマークを表示することは難しいという問題もあります。初心者マーク及びシルバーマークは、運転する車両の前後に、地上0.4〜1.2m以内の高さで、見やすい位置に表示しなければなりません。しかし、バイクはその形状から、マークを貼るスペースが限られてしまいます。例えば、ネイキッドやアメリカンはカウルが無いため、フェンダーくらいしかマークを貼るスペースはなさそうです。

 フルカウルバイクの場合でも、リア部分はほとんど貼るスペースがないほか、バイクによっては前後に貼るスペースがないという場合もあります。無理やりフェンダーに貼ったり、タンクなど比較的面積が広いスペースにマークを貼ったとしても、そもそも周りのドライバーから認識されづらいので、意味がないでしょう。

初心者マークやシルバーマークを表示する行為は周囲のドライバーへの注意喚起の役割も担っています
初心者マークやシルバーマークを表示する行為は周囲のドライバーへの注意喚起の役割も担っています

 また、初心者マークやシルバーマークを表示する行為は、周囲のドライバーへの注意喚起の役割も担っています。しかし、バイクはスペースの問題から、マークを表示していても、周囲のクルマからマークを発見してもらいづらいと言えます。

 上記の理由などから、バイクは初心者マークを表示する義務が課せられていないことが考察できそうです。しかし、表示義務こそありませんが、バイク用の若葉マークやシルバーマーク自体は販売されています。その他にも、ナンバープレートの固定用ボルトに取り付けて若葉マークをできるアイテムも販売されています。

 クルマと違い、バイクは免許取得してから初めての公道デビューになります。バイクにも若葉マーク・シルバーマークを付けることで、多少なりとも周囲のドライバーから理解を得ることに繋がり、ひいては交通事故の防止に繋がる可能性が高まると言えるかもしれません。

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 バイクには若葉マークやシルバーマークの表示義務はありませんが、表示の禁止もされていません。安全にバイクを運転できる確率を高めるためにも、運転に自信がない人はシールなどのアイテムを活用してみるのも良いかもしれません。