コンビニやスーパーなどの駐車場に、「アイドリングストップにご協力ください」といった看板が設置されているのを見かけたことが有ると思います。これは、地域の条例などで「アイドリングストップ」の義務について定められていることが理由。では、コンビニなどに短時間立ち寄るだけでも、バイクのエンジンは切らなくてはいけないのでしょうか。

ちょっと寄るだけでもNG!

 バイクで走行中にコンビニで飲み物を購入したり、公園のトイレを利用したり、短時間だけバイクを停車させる機会は多々あると思います。しかし、一般の駐車場には「アイドリングストップにご協力ください」といった看板が設置されているケースが多く、停車時はエンジンを停止することを促しています。

 一方で道路交通法などには、アイドリングストップについての記載は見られません。アイドリングストップに関するルールは、どのように定められているのでしょうか。

駐車場でのアイドリングストップを促す看板
駐車場でのアイドリングストップを促す看板

 アイドリングストップについては、国ではなく各都道府県がそれぞれで条例を制定しています。

 例えば、東京都では環境確保条例 第53条運転者の義務において、「自動車等を駐車、または停車する時は、エンジンを停止する(アイドリングストップ)義務があります。原動機付き自転車も対象です」としています。神奈川県でも神奈川県生活環境の保全等に関する条例 第94条自動車の駐車時の原動機の停止において、「自動車の運転者は、自動車の駐車をする場合には、当該自動車の原動機を停止しなければならない」と定められています。

 このようなアイドリングストップについての条文は、ほかの都道府県にもみられ、日本国内では全国的にアイドリングストップが義務とされています。

 なお、東京都や神奈川県では前述した条文に合わせて、アイドリングストップをしなくても良い例外ケースについても言及。東京都では、「条例上、アイドリングストップ義務の対象から除外される場合」として、以下の5つのケースを例示しています。

・信号待ちなどの、道路交通法の規定により停止する場合
・交通の混雑などにより停止する場合
・人の乗降のために停止する場合
・冷凍車、医療用車、清掃車などの動力としてエンジンを使用する場合
・緊急自動車が用務のために使用している場合

 また、神奈川県でも「救急用自動車を緊急用務のため使用中の場合その他の規則で定める場合は、この限りでない」とされており、緊急時に限って、アイドリングストップをしなくても良い決まりです。

 なお、神奈川県では「自動車とは、道路運送車両法第2条第2項に規定する自動車」とも明記。アイドリングストップはクルマだけに関連するものと思われがちですが、道路運送車両法第2条第2項でバイクも「自動車」に含まれるとされているため、バイクにも適応される規定です。

条例の背景には「大気汚染」や「騒音」の影響が

 前述したように、バイクにも駐停車中のアイドリングストップが義務付けられていますが、その背景にはどのような理由があるのでしょうか。

 東京都はアイドリングストップを義務とする理由について、「大気汚染、騒音、悪臭を防止するために、環境確保条例で地球温暖化にもつながるアイドリングストップを義務付けています」と説明。

 神奈川県も「自動車の使用による環境負荷の低減のため」としつつ、詳細な理由については「自動車の排出ガスには、窒素酸化物や浮遊粒子状物質など、私たちの健康に悪影響を与える物質が含まれています。また、光化学スモッグや酸性雨の原因にもなります」と説明しています。

バイクから短時間しか離れない場合もエンジンを切る
バイクから短時間しか離れない場合もエンジンを切る

 さらに、排気ガスに含まれる二酸化炭素は、地球温暖化を加速させる要因にもなり得るため、そもそもの排気ガスを低減させるために、アイドリングストップを義務化。また、エンジンを切っていない状態では常にエンジン音がなり続けるため、近隣住民への騒音被害にもつながりかねません。

 実際にコンビニなどのアイドリングストップを推奨する看板には、寝ている赤ちゃんのイラストが書かれている場合も多く、「静かな住宅環境を守りましょう」という意図が込められています。地球を環境汚染から守ることはもちろん、近隣住民の生活環境を守るためにも、アイドリングストップは絶対に遵守するようにしましょう。

 なお、各都道府県のアイドリングストップに関する条例では、前述したような運転者側に対する条文に加え、駐車場を設置する施設側に対する条文も定められています。

 例えば、東京都では「駐車場の利用者に対して看板の掲示などにより、アイドリングストップを周知する義務があります」としており、施設側が運転者側にアイドリングストップをさせるような対策を講じることが義務付けられています。

 さらに、業務でクルマやバイクの運転をする必要がある企業に対しても、「管理する自動車等の運転者に、アイドリングストップを遵守させるため、適切な措置を行う義務があります」とされており、研修などにおいてアイドリングストップの義務を伝達することが義務付けられています。

 このように運転者だけでなく、その運転者を管理する企業や、駐車場を有する施設が一丸となって、アイドリングストップを守っていくことが求められているのです。