昨今、バイク人気が高くなっていますが、中でも51cc以上125cc以下の排気量をもつ原付二種のラインナップが充実しています。これには、いったいどのような理由があるのでしょうか。

レジャーバイクとして注目される原付二種!

 最近、国内のバイクメーカーは、原付二種のラインナップの充実に力を入れており、2022年の一年間だけでも、続々と新しいモデルが追加されました。

スズキの原付二種スーター「アヴェニス125」
スズキの原付二種スーター「アヴェニス125」

 例えばホンダは、3月24日にモデルチェンジをした「リード125」の販売を開始し、続く7月21日には「ダックス125」をラインナップに加えました。また、ヤマハは、9月30日に「NMAX ABS」の販売を開始し、11月28日には「ジョグ125」の発売を予定しています。

 そしてスズキは、10月21日に「アドレス125」・「アヴェニス125」の2車種の販売を開始、少なかった原付二種モデルの拡充を進めています。

 では、なぜここ数年で原付二種のラインナップが増えたのでしょうか。

 最近、原付二種モデルのラインナップが充実している理由としては、2020〜2021年に、コロナ禍で原付二種が「密」を避けられる移動手段として注目を集めたことが挙げられます。

ホンダの原付二種レジャーバイク「ダックス125」
ホンダの原付二種レジャーバイク「ダックス125」

 また、単なる交通手段ではなく、レジャーバイクとして人気が出ているのも、理由のひとつです。例えば、ホンダ「CT125・ハンターカブ」や「クロスカブ110」「モンキー125」「ダックス125」などのモデルは、単なる交通手段ではなくレジャーバイクとしての性格が強いモデルといえます。

 なお、これら4車種のモデルは、ライダーから人気があり生産が追い付かず、いまだに納車待ちで数ヶ月待つケースも珍しくありません。

 ちなみに原付二種は、販売台数も、右肩上がりとなっています。一般社団法人「日本自動車工業会」が公開している情報によれば、2021年の全排気量の二輪販売台数は41万5892台でした。そのうち、原付二種の台数は12万5674台と約30%を占めている上に、前年比では23.5%も増加しています。

 また、保有台数も着実に増えており、2010年は150万台でしたが、2021年では181万台を超えているなど、過去10年間右肩上がりとなっています。

国内の保有台数が増加している原付二種
国内の保有台数が増加している原付二種

 その一方で、原付一種は保有台数が減り続けており、原付二種と同じ期間で比較すると、2010年は約740万台だったのが2021年には465万と大幅に数を減らしているようです。

 ちなみに、輸出台数でも原付二種の台数が上回っています。2021年の二輪車輸出台数は、原付二種が約3万5000台、原付一種がおよそ2万6000台です。原付二種の125ccクラスは、海外の小排気量クラスとして普及しており、経済成長を続けるアジア市場では、今後125ccや150ccのバイクの需要がさらに高まると予想されているほどです。

ラインナップが減っている…原付一種は日本限定のクラス?

 原付一種は、日本国民の手軽な交通手段として長い間重宝されてきたクラスです。しかし、排ガス規制や電動アシスト付き自転車の普及などの影響でその数は年々減少しており、これはバイクメーカーのラインナップにも表れています。

排ガス規制や電動アシスト付き自転車の普及などの影響で原付一種のラインナップは減少
排ガス規制や電動アシスト付き自転車の普及などの影響で原付一種のラインナップは減少

 国内メーカーが原付一種のラインナップを絞る理由には、排ガス規制が挙げられます。

 50ccという小排気量エンジンで排気ガス規制をクリアするには、追加で開発コストをかける必要があります。しかし、追加でコストをかけると、ただでさえ高くなったといわれる原付一種の販売価格をさらに引き上げなければなりません。

 原付一種は、安価な移動手段であることを売りにしています。排ガス規制をクリアできたとしても、販売価格が上がってしまっては売れなくなる可能性が高くなります。そのため、メーカーとしてはこれ以上、販売価格にコストの上乗せがしづらいという事情があるというわけです。

 また、使い勝手がよい電動アシスト付き自転車の普及も、原付一種の数を減らしている原因といえるでしょう。実際のところ、電動アシスト付き自転車は、原付一種と同じぐらいの行動範囲があり、代替手段として有効です。

 その証拠にスズキでは、電動アシスト付き自転車「ラブSNA24」「ラブSNA26」をラインナップしています。

スズキの電動アシスト付き自転車「ラブSNA24」
スズキの電動アシスト付き自転車「ラブSNA24」

「ラブSNA24」のカタログデータによれば、パワーモードで約31km、エコモードで約50kmの走行が可能だそうです。価格は税込みで9万3500円と10万円を切っており、自転車であるため税金の支払いや自賠責保険の加入義務もありません。

 加えて取り回しも簡単で、ライディンググッズも必要なく、保管場所や駐輪場が簡単に見つかります。通勤や通学などの距離であれば、電動アシスト付き自転車のほうが、原付一種より便利といえるでしょう。そのうえ、カテゴリーとしては自転車に該当することから、原付一種の法定速度30km/hなどの面倒な交通ルールもありません。

 このように、原付一種はさまざまことが要因となって数を減らしているのが現状です。今後、さらに数が減っていくことは想像に難くないですが、長年手軽な交通手段として愛されてきたバイクを目にする機会が減るのは、寂しいものです。

※ ※ ※

 バイク人気が高いここ数年の中でも特に注目を集める原付二種は、手軽な交通手段としてだけでなく、レジャーバイクとしても人気が出ています。また、海外向けにも原付二種の125ccは広く普及しており、今後の需要を見据えて、国内のバイクメーカーもラインナップを充実させています。

 今後原付二種は手軽な交通手段とレジャーバイクの両方でライダーの間で定着していく可能性が高いといえるでしょう。