自転車の危険な走行について、警察ではとくに重大事故につながる可能性の高い危険行為を15項目定めています。知らずにやってしまっているかもしれない15の行為について紹介します。

覚えておきたい、違反となる危険行為「15項目」

 都内で自転車の事故が相次いでいることを受けて、警視庁は命に係わる重大事故につながる可能性の高い「信号無視」、「一時不停止」、「右側通行」、「徐行せずに歩道を通行」という4つの悪質な違反について、いわゆる「赤切符」を交付して検挙するという方針を固めました。これまでは罰則を伴わない「警告」で済んでいたケースでも、今後は厳重な取り締まり対象になります。

重大事故につながる可能性の高い、自転車の「危険行為」15項目とは
重大事故につながる可能性の高い、自転車の「危険行為」15項目とは

 これは東京都内での話ですが、自転車の交通違反による事故については都道府県に限らず問題視され、今後は各地方でも取り締まりの厳格化は進むでしょう。

 警察では自転車の危険行為として15項目を定めています。注目されている4項目以外についても、悪質だとみなされた場合は「赤切符」の交付対象になります。ここではあらためて、自転車の危険行為とされる15項目を紹介します。

①信号無視(道交法第7条)

 読んで字のごとく、信号を守らない違反です。信号機だけでなく、警察官の手信号にも従う必要があります。自転車は原則として、車道を走行中は車道の信号を守り、歩道を通行中は歩行者用の信号を守らなければいけません。

②遮断踏切立入り(道交法第33条第2項)

 警報の鳴り始めから終わりまで、踏切内に立ち入ってはいけません。遮断機が閉じようとしている時ではなく、「音が鳴っている間」は立ち入り禁止です。

③指定場所一時不停止など(道交法第43条)

 赤い逆三角形に白い文字で「止まれ」と書かれている標識がある場所では、地面に引かれた白い停止線の手前で必ず一度停止しなければいけません。

④歩道通行時の通行方法違反(道交法第63条の4第2項)

 歩道は歩行者のための道です。自転車が標識や危険回避などの理由で歩道を走行できたとしても、歩道の車道寄りを走り、歩行者の通行の妨げになってはいけません。

⑤制動装置(ブレーキ)不良自転車運転(道交法第63条の9第1項)

 自転車は前輪・後輪のどちらにもブレーキを装備している必要があり、乾燥した平たんな舗装路面で、時速10kmで走行中に3m以内の距離で円滑に自転車を停止させる制動力がなければ違反になります。

⑥酒酔い運転(道交法第65条第1項)

 アルコールを飲んで自転車に乗ってはいけません。クルマやバイクと同様に、自転車を運転することが分かっている人に酒を提供したり、飲酒をすすめる行為も罪に問われる可能性があります。

⑦通行禁止違反(道交法第8条第1項)

 赤い丸に白い横棒が引かれた「進入禁止」や、赤い丸の上の白丸に赤い斜め線が引かれた「車両通行止め」などの標識を無視して進んではいけません。なお、「自転車を除く」の補助標識が設置されている場合は進入しても大丈夫です。

⑧歩行者用道路における車両の義務違反(道交法第9条)

 歩道を通行する場合、自転車での走行が許可されている場合でも、いつでも停止できるスピードで徐行しなければいけません。具体的には時速4〜5kmほどとされています。

⑨通行区分違反(道交法第8条第1項、4項、6項)

 自転車は原則として車道の左側を走らなければいけません。反対車線で道路の右側を走る、いわゆる「逆走」はいけません。また、自転車道が設置されている場合は、自転車道を走行します。

⑩路側帯通行時の歩行者の通行妨害(道交法第17条の2第2項)

「路側帯」とは歩道がない道路の端に歩行者が安全に歩けるように白線で区切られたエリアのことです。基本的に歩道と同様に扱われますので、歩行者の通行を妨げてはいけません。

⑪妨害運転(複数の条文から)

 クルマやバイク、自転車や歩行者など、道路を使用する全ての人に対して、嫌がらせ目的で幅寄せや無理な進路変更などで通行を妨げてはいけません。いわゆる「あおり運転」は、自転車にも適用されます。

⑫交差点安全進行義務違反(道交法第36条)

 交差点を通行する際、付近に自転車横断帯があればそこを通行しなければいけません。また、信号のない交差点や狭い道から広い道路に出る、優先道路へ進入する際は、徐行する必要があります。

⑬交差点優先車妨害(道交法第37条)

 免許を持たない人はあまり意識したことがないかもしれませんが、交差点を曲がる際には優先順位があります。まずは直進する車両、その次に左折する車両、最後に右折する車両です。右折する際に直進車、左折車の進行を邪魔する行為は違反です。

⑭環状交差点安全進行義務違反(道交法第37条の2)

「環状交差点」ではとくに進行方向に注意が必要
「環状交差点」ではとくに進行方向に注意が必要

 環状交差点(サークル状の交差点)を走行する際の進行方向は、原則として右回り(時計回り)です。流れに逆らって走行してはいけません。また、環状交差点に入るときは、ほかの車両や歩行者に注意して、徐行する必要があります。

⑮安全運転義務違反(道交法第70条)

 傘さし、ながらスマホ、イヤホン(ヘッドホン)、片手運転、2人乗り、過積載など、ハンドルやブレーキをしっかり操作できない状態で自転車に乗ることは違反です。意外と見落としがちですが、2台の自転車が並んで走る「並走」も安全運転義務違反になります。

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 免許不要で気軽に運転できる自転車ですが、上記のような危険行為が横行していては街を安心して歩くことすらままなりません。相手だけでなく自分の身や家族のためにも、運転にはくれぐれも注意したいものです。