自転車も交通ルールを守らなければならない車両の仲間ですが、交通違反を犯してしまった場合の罰則は、クルマやバイクとは異なります。免許不要の乗り物だからこそ、そのペナルティはより重くなる可能性があります。

免許が無いから関係ない? そんなワケはない!!

 自転車はクルマやバイクと違い、運転免許不要で誰でも気軽に乗れる便利な乗り物として、日常生活に無くてはならない存在です。そして道路交通法で自転車は「軽車両」と規定されており、違反を犯した場合はクルマやバイク、原付バイクなどの「車両」と同じように、道路交通法が適用されます。

自転車だから道路標識は関係がない、ワケがない
自転車だから道路標識は関係がない、ワケがない

 いつも周囲に気を配りながら、十分注意して自転車に乗っているつもりでも、ついやってしまいがちな危険な走行があります。そんな危険行為について、警察庁では「信号無視」、「遮断踏切への立入り」、「酒酔い運転」、「制動装置(ブレーキ)不良自転車運転」などをはじめとした15項目を、とくに危険な行為として定めています。

 けして故意ではなかったにしても、そんな危険行為が警察官に見つかった場合、状況に応じて2種類のペナルティのうち、どちらかを受けることになります。

 比較的軽いペナルティとしては、その場で警察官から注意を受け、違反の日時や場所、違反内容などが記載された「自転車指導警告カード」を渡される「指導警告」になります。この警告カードを渡されたとしても罰則はありませんが、警察に氏名や住所、電話番号などを控えられることになります。

 一方、非常に重いペナルティ(危険行為、悪質だと認められた場合)では、いわゆる「赤切符」=「告知票・免許証保管証」が交付され、刑事罰の対象となる可能性があります。

 クルマやバイクの場合、軽微な違反については「交通反則通告制度(反則金制度)」により「青切符」=「交通反則告知書」が交付され、違反点数の加算、「反則金」を納付すれば「前科」とはなりません。しかし自転車は反則金制度の適用外であることから、「青切符」のようなクッションを置かず、即「赤切符」となるのです。

「赤切符」が交付された場合、交通警察官室や検察庁、裁判所の交通分室などに出頭を命じられます。これは刑事手続きなので、警察官や検察官からは「被疑者」という立場で扱われ、「反則金」ではなく「罰金」の支払いとなり、「前科」となります。

 つまり、自転車で交通違反を犯してしまった場合、状況によってはクルマやバイクよりも重いペナルティを受けることになります。実際のところ、これまではよほど悪質な危険走行でなければ「赤切符」が交付されることはありませんでした。

警視庁では危険行為4項目を中心に、自転車の取り締まりを強化
警視庁では危険行為4項目を中心に、自転車の取り締まりを強化

 しかし、一向に自転車による事故が減らないため、警視庁では「信号無視」、「指定場所一時不停止」、「通行区分違反(車道の右側通行=反対車線を逆走)」、「歩行者用道路における車両の義務違反(徐行せずに歩道通行)」の4項目を中心に取り締まりを強化すると発表し、「赤切符」を交付する可能性も増えています。

「子どもの送り迎えに使う」、「通勤に便利」など、気軽に使える便利な自転車ですが、実際は大きな責任も背負って走っています。「自転車だから関係ない」という間違いを知り、クルマやバイクと同様に、交通ルールを意識したいところです。