ホンダのミドルクラススーパースポーツ、「CBR600RR」に試乗しました。

見た目と走りのギャップ萌え

 2020年9月25日に発売されたホンダのミドルクラススーパースポーツ、「CBR600RR」に試乗しました。

ホンダ「CBR600RR」と筆者(先川知香)
ホンダ「CBR600RR」と筆者(先川知香)

 CBR600RRは、ホンダがアジアロードレース選手権での勝利を目指し、2016年以来不在となっていたミドルクラススーパースポーツを本気で開発したという、サーキット最速を目標とする1台です。

 搭載されるパワーユニットは、最高出力89kW/14000rpm、最大トルク64N・m/11500rpmを発揮。最新の電子制御システムや空力技術も惜しみなく採用し、市販車によるプロダクションレース車両のベースモデルとしての高いポテンシャルを公道でも楽しめる、ジャストサイズのスーパースポーツモデルというのが、このバイクに対するホンダの説明となっています。

 そこに、ホンダのレーシングマシンを象徴するトリコロールの「グランプリレッド」を纏うレーシーな外観が加えられたスペックに、レースファンならテンションが上がらないはずはありません。

 しかし同時にスーパースポーツって、めちゃくちゃ前傾なライディングポジションで体勢がキツイ上に、そこまでハイスペックなマシンを果たして私(先川知香)が操れるのか。

 そんな不安がこみ上げてくるのが、中の下ぐらいのライディングスキルから一向に成長しないのにバイクがやめられないという、物好きライダーの私。怖い気持ちと乗ってみたいという気持ちを入り混じらせながら、まずはバイクにまたがりました。

シート高820mmのホンダ「CBR600RR」の足つき(身長165㎝)
シート高820mmのホンダ「CBR600RR」の足つき(身長165㎝)

 足つきは良好。身長165㎝の私で両足の指の付け根辺りまで、しっかりと地面につくことができます。

 不安要素がひとつ解消したところで、次の不安はライディングポジションとアクセルやブレーキのフィーリング。レースで勝つためのマシンと聞いてしまうと、どうしても空力重視のかなり前傾姿勢なポジションと、ハイパワーなエンジン、止まりすぎるぐらい止まるブレーキなどを想像してしまいます。

 しかし、恐る恐るアクセルを開けて走り出してみると、驚くほどスムーズ。エンジンはもちろんパワフルではあるものの、加速していくフィーリングが優しくて、高速道路などでも気付けば100㎞/hに到達していたというような安定感がありました。

 心配していたポジションも、思ったほど前傾になることはなく、楽な姿勢で運転することができます。

 194kgという車体重量もかなり軽く感じ、とにかく扱いやすい。試乗車で転んではいけないという不安から、どうしても普段より気を遣ってしまう小回りやUターンなども、まるでバイク自身が「Uターン苦手なんだよね?任せて」と、ライダーの技量に合わせてくれているような乗りやすさがありました。

ホンダ「CBR600RR」の走りを楽しむ筆者(先川知香)
ホンダ「CBR600RR」の走りを楽しむ筆者(先川知香)

 これまでも、スーパースポーツと呼ばれる様々なバイクに試乗させてもらいましたが、そのなかでもダントツの扱いやすさ。これが、ホンダがレースで勝つために作った本気のバイクかぁ〜と、少し感動するレベルです。

 ただひとつだけ、ガソリンメーターはどこにあるの??というのが、最後まで分からなかったポイント。

ガソリンメーターはなく、燃料消費量と警告灯のみ表示される
ガソリンメーターはなく、燃料消費量と警告灯のみ表示される

 メーターの表示を色々いじってみましたが結局見つけられず、帰宅後に調べると燃料消費量と警告灯だけしか搭載されておらず、ガソリンメーターは存在しないとのこと。

 公道でのツーリングに使うなら、これはかなり不安要素です。私なら、うっかり給油をし忘れてガス欠をさせてしまうアクシデントを恐れすぎて、無駄に給油してしまいまそう。燃料消費量だけでガソリン残量を管理できるのは、かなりの上級者かマニアだけだよホンダさん!

 そうなると、ライディングにそこまで自信がなくてもかなり乗りやすいバイクに仕上がっているCBR600RRなのに、やはりメインターゲットはサーキットを走る層なのかなぁというのが正直な感想。

 それでも、全日本やアジアロードレースなどでトップ争いを展開する「あのCBR600RR」と同じDNAを持つ、量産型CBR600RRで公道を走る優越感は唯一無二!

 CBR600RRの価格(消費税込)は160万6000円。レプリカモデルに憧れを持つ初心者ライダーにこそ、是非乗ってほしい1台です。