首都高速道路株式会社は、多摩川にかかる「高速大師橋」の造り替えを進めています。既設橋の横には約300mの1枚板となった新しい橋桁が寄り添い、架け替えの時を待っています。

船上から見上げる橋桁のウラ、構造自体も新たなものに

 首都高速道路株式会社は、多摩川にかかる「高速大師橋」の造り替えを進めています。既設橋の横には約300mの1枚板となった新しい橋桁が寄り添い、架け替えの時を待っています。

既設橋のすぐ隣で組み立てられた新設橋(右)。架け替えの時を待つ
既設橋のすぐ隣で組み立てられた新設橋(右)。架け替えの時を待つ

 1968年の開通から50年以上が経ち、首都高速1号線は劣化と老朽化が進行中です。今後も長期にわたって道路構造物を健全に保つための大規模な更新事業の一環として、東京タワー(高さ333m、重量約4000t)を横にした状態と概ね同等の、新たな橋桁の組み立てが完成しました。

 新旧の橋桁の下には川の流れ方向に「橋桁移動設備(ベント)」(巨大なレール)が設置され、下流側で新設橋が組み立てられ、架け替えの際には既設橋を上流へ移動し、新設橋を一挙にスライドさせる「横取り一括架設工法」にて実施されます。これに伴う通行止めは約2週間とのこと。

 2022年11月16日に報道関係者に公開された作業現場では、船上から新旧橋桁のウラを確認することができました。

既設橋のウラには多くの補強・補修箇所が見られた
既設橋のウラには多くの補強・補修箇所が見られた

 既設橋はいたるところに補強・補修箇所が見られ、1日約8万台の交通量という過酷な使用状況による劣化と老朽化が想像できます。橋梁全体に1200箇所以上の疲労き裂が確認されているそうです。

 架け替えを待つ新設橋は、橋桁と橋脚が一体化したラーメン橋という形式を採用し、橋桁の断面は箱型、点検・維持管理のための恒久足場を備え、更新後の幅員構成(橋の幅)は18.2mと、現行基準に則して既設橋よりも両側に85cm拡幅され、それを支える橋脚など下部構造も合わせて造り替えられます。橋桁重量は約4000tと、既設橋と変わりありません。

「橋桁移動設備(ベント)」(巨大なレール)の上で組み立てられる新設橋。架け替えは約300mの区間を一挙にスライドさせる
「橋桁移動設備(ベント)」(巨大なレール)の上で組み立てられる新設橋。架け替えは約300mの区間を一挙にスライドさせる

 また、3つの巨大なパーツを剛結して組み立てられた新設橋は1枚板となるためこの区間には繋目が無く、バイクやクルマで走行中に下からの突き上げも無くなります。走行距離292mではあるものの、シームレスで滑らかな舗装路面になります。

 古い橋桁の横で新しい橋桁を造り、ほぼ完成した状態で架け替えることにより、通行止め期間の短縮を図り、約2週間と最小限に抑えています。架け替えた後は舗装工事や区画線工事など、最小限の工事が行なわれます。

手前から奥へ、新設橋、既設の「高速大師橋」、産業道路大師橋(下流から上流へ向かって撮影)
手前から奥へ、新設橋、既設の「高速大師橋」、産業道路大師橋(下流から上流へ向かって撮影)

 通行止めに伴い閉鎖される周辺出入口、日時や交通影響等の詳細については、決まり次第発表される予定です。

 また、開通後も既設橋桁およびベントの解体・撤去のため、工事完了は2025年度となっています。