フルモデルチェンジされ、2022年6月30日に登場したヤマハの大型ネイキッドモデル「XSR900」に試乗しました。

大型モデルへの入門バイクとしてもおススメの乗りやすさ

2015年の「EICMA」で公開され、2016年に日本での販売が開始された「XSR900」。その最新モデルに試乗しました。

ヤマハ「XSR900」と筆者(先川知香)
ヤマハ「XSR900」と筆者(先川知香)

 XSRはメーカーや多くの媒体などで、「スポーツヘリテージ」にカテゴライズされているシリーズです。しかし、ヘリテージという言葉は、だいたいレトロだったり古いバイクを彷彿させるクラシカルなデザインのモデルに付けられますが、「そんなにレトロかなぁ?」というのが私(先川知香)の印象。

 多くのヘリテージ系モデルは、その原型となった昔のバイクが明確に思い浮かべられるデザインですが、XSRって有りそうで無かった新しいデザインじゃない?と、特に発売当初の初代モデルを見て不思議に思ったほど、私にとっては斬新で魅力的なフォルムです。

 といっても、開発したヤマハさん自身が「ヤマハレーシングヘリテージを反映した」と明言しているので、クラシカル要素は意識されているんだと思いますが、今にも飛び出しそうな躍動感ある足回りのフォルムと、車格にしては短くそして路面に水平にまとめられたタンクとシートの相反する造形が上手く組み合わせられたようなスタイルが、一般的なストリートファイターとも一味違い「攻めのネイキッド」という言葉がしっくりくるデザインとなっています。

 と、ここまで「XSR900」の斬新なデザインを高評価してきましたが、新型よりも前モデルのデザインの方が好みだったなというのが、個人的な感想。少し、細部にまでこだわりすぎてしまい、ゴチャついてしまったなというのが正直なところです。

ヤマハ「XSR900」の足つき(身長165㎝)
ヤマハ「XSR900」の足つき(身長165㎝)

 そんな新型「XSR900」の足つきは良好。身長165㎝の私で両足のつま先が地面にしっかり付くので、ホントに900㏄?と疑いたくなるほど、安心して乗ることができます。

 また、見た目のドッシリとしたイメージや、900㏄という排気量からは想像も出来ないほど車体も軽く、大型バイクにはどうしても付きまとう、「支えきれない不安」を感じることなく走り出すことができました。私が自分の愛車に大型バイクを選ばない最大の理由は足つきと、この「支えきれない不安」。大型モデルは一般的な中型モデルに比べて、立ちごけするかもという不安を感じる場面が増える事実は否定できません。

 XSR900の取り回しの良さは、私のそんな大型バイクに対するマイナスイメージを払拭してくれました。

ヤマハ「XSR900」の走りを楽しむ筆者(先川知香)
ヤマハ「XSR900」の走りを楽しむ筆者(先川知香)

 さらに走りも軽快。ベースであるMT-09やトレーサー9GTと同じ水冷4ストローク並列3気筒DOHCが搭載されていますが、その2台と比べても走り出しはマイルドな印象です。

 取り回しと同様に走り出しから扱いやすく、それでいてアクセルを開けるとパワフルに加速してくれ、物足りなさを感じることはありません。

 また、大型モデルでは少し不安になってしまう、ワインディングやUターンなども、そこまで車体をバンクさせなくても思い通りのラインで曲がっていってくれるので、車体の大きさを意識することなく走りることができました。

 ライディングポジションもかなり楽。跨って、自然に腰を下ろしたそのままのスタイルで乗ることができるので、長距離移動にもおススメ。

ヤマハ「XSR900」の走りを楽しむ筆者(先川知香)
ヤマハ「XSR900」の走りを楽しむ筆者(先川知香)

 ドドドと低く独特な3気筒のエキゾーストサウンドと相まって、ネイキッドというよりはアメリカンに近いような気分で威風堂々、ゆったりと景色を楽しみながら走ることが可能。この感覚が、開発コンセプトである“The Expert of Equestrian(伝統馬術のエキスパート)”かと、納得させられる乗り味です。

 個性的な外観と900㏄とは思えない取り回しの良さ、そして大型モデルとしての走行性能など、様々な魅力が満載のヤマハ「XSR900」。価格(消費税込)は、121万円です。