近年、需要が高まる原付二種ですが、女性にはどのような車種が人気なのでしょうか。足つきがよく、小柄な女性でも乗りやすい原付二種をまとめてみました。

バイクに乗る上で重要なポイントのひとつ、足つき性とは?

 デザインやエンジン排気量、ハンドル幅、値段、カラーなど、バイクを選ぶ際にはいくつもの基準があります。そのなかでも、特に足つき性は重要なポイントとして挙げられるでしょう。

足つき性の良い原付二種
足つき性の良い原付二種

 ではいったいなぜ、バイクを運転するうえで足つき性が重要なポイントなのでしょうか。

 足つき性が良いと、身長の低いライダーや小柄な女性でも両足が地面にしっかりと着くため、バイクを支えやすくなり、安定感が増します。特に、渋滞や信号待ちでしばらくの間バイクの車体を支えないといけない場合に、足つき性が良いと楽になります。反対に、バイクの足つき性が悪いとバイクの乗り降りが大変になります。実際に、信号待ちをしている時に、つま先立ちでバイクを支えているライダーを見たことがある人もいるかもしれません。

 どれだけデザインやカラーが好みなモデルであっても、バイクに跨って、地面に足が着かないと運転は困難になります。したがって、バイクを選ぶ上で足つき性は重要になるというわけです。

 こういった問題は、クルマを選ぶ際にはほとんど起きませんが、バイク選びでは珍しくありません。そのため、自身が跨れるおよそのシート高を把握しておくと、バイク選びで失敗を避けやすくなります。

 では、小柄な人でも乗りやすい、足つきの良い原付二種として、どのようなモデルがラインナップしているのでしょうか。目安ではあるものの、身長が155cm前後のライダーが跨れるシート高は、780mm以下といわれているので、今回はシート高780mm以下のモデルをピックアップしてみます。

シート高780mm以下のモデルをピックアップ

 まずひとつ目の車種は、2022年10月に発売を開始したスズキ「アドレス125」です。シート高は770mmで、幅がありフラットなシートはゆったりと跨ることができ、リュックなど荷物を背負った際にも安定した姿勢で座れます。

スズキの原付二種スクーター「アドレス125」
スズキの原付二種スクーター「アドレス125」

 また、フロントタイヤには安定性が高い12インチ、リアタイヤは10インチを組み合わせており、最小回転半径は2mと狭い範囲で回ることもできるため、取り回しも良好です。

 ふたつ目の車種は、シート高760mmのモデル、ホンダ「ディオ110」です。シート下トランクには容量18Lのスペースがあり、フルフェイスヘルメットも収納可能。フロントとリアタイヤは共に14インチのホイールが採用されており、高い安定感のある走りができます。

ホンダの原付二種スクーター「ディオ110」
ホンダの原付二種スクーター「ディオ110」

 加えて、スマートキーのボタンを押せば、ウインカーを点滅させて自分のバイクの位置がわかるアンサーバック機能を搭載しているなど、痒いところに手が届く便利なバイクといえます。

 3つ目の車種は、ホンダ「リード125」です。先ほどピックアップしたディオ110と同様、シート高は760mmに設定されています。

ホンダの原付二種スクーター「リード125」
ホンダの原付二種スクーター「リード125」

 フロントは12インチ、リアタイヤ10インチを採用しており、小回りも利きやすいモデルといえるかもしれません。また、アイドリングストップ・システムを搭載しており、信号待ちで無駄な燃料を使わずに済む点も便利です。

 4つ目の車種は、同じくホンダ「スーパーカブ110」です。スーパーカブは、長らく新聞配達や郵便物の配送で使用され、ビジネスバイクとして馴染みのあるバイクです。

ホンダ「スーパーカブ110」
ホンダ「スーパーカブ110」

 そのため、燃費の良さや耐久性に注目が集まる傾向があり、シート高が注目されることは少ないかもしれませんが、シート高は738mmと低く、身長で乗り手を選ばないバイクといえます。

 また、現行のモデルになってからは、鮮やかな配色のブルーやイエロー、落ち着いたベージュやグリーンなど、女性ライダーにも好まれやすいデザインやカラーが数多く設定されています。

 そして5つ目の車種は、2022年10月時点でヤマハのラインナップで最軽量の「ジョグ125」です。シート高は735mmと、本記事でピックアップした4車種の中でも、かなり低く設定されています。

ヤマハの原付二種スクーター「ジョグ125」
ヤマハの原付二種スクーター「ジョグ125」

 また、車両重量も95kgと100kgを切っており、非常に軽量で取り回しがしやすいです。加えて、フロントとリアタイヤは共に10インチであり、50ccの原付バイクと同等の小回りができます。

 なお、USBソケットやフロントインナーボックスなどの付加的な装備は最低限のため、純粋な交通手段を必要としているライダーにちょうど良いバイクといえるかもしれません。

※ ※ ※

 足付き性はバイク選びではかなり重要な要素となるため、小柄なライダーは最も気にするポイントかもしれません。

 今回あげたシート高の数値は、あくまでメーカーのカタログを基本にして比較しているため、カタログのシート高を参考にして、実際に販売店で実車に跨がらせてもらい、足つきを確認するのが良いでしょう。